与那原大綱曳(よなばるおおつなひき) | 沖縄の裏探検

与那原大綱曳(よなばるおおつなひき)




沖縄では旧暦6月26日に綱引きが行われる地域があります。

与那原(よなばる)町で行われる与那原大綱曳は『那覇大綱挽』、『糸満(いとまん)大綱引』と並ぶ沖縄三大綱引きの一つで、各地から多くの見物人が集まります。
本来は旧暦6月26日に行われていましたが、現在は旧26日を過ぎた最初の日曜日に開催されています。
今年は7月31日が開催日となりました。



綱曳のスタートは商店街の中にある与那原親川(よなばるうぇーがー)の広場から始まります。
広場には綱曳資料館もあります。



資料館の2階には与那原大綱曳の歴史を知る事ができる展示物があります。



15:00過ぎから国道331号を交通規制して道じゅねー(行列)が始まりました。
西(いり)と東(あがり)に分かれた旗頭が、お互いの陣営に勝利を呼び込むべく激しく上下に揺らされます。



その後、一行は商店街の中央通りに戻って綱を担いで国道329号へ出て来ます。
国道を2本も規制する綱引きはここくらいしかありません。
最初は雌綱が出て来ました。綱の上には歴史上の人物に扮する支度(したく)と呼ばれる者が乗っています。
『ハーイヤ』という勇ましい掛け声と法螺貝を吹きならす音が辺りに響き渡ります。



続いて雄綱が出て来ます。こちらにも支度が乗っています。
大綱はそれぞれ約45メートルあり、二つ合わせた総重量は5トンにもなります。



二つの大綱は決戦の会場となる御殿山(うどぅんやま)青少年広場へと運ばれます。



女性達はメーモーイという踊りで場を盛り上げます。



いよいよ綱が一つに合わさります。
雌綱が上からかぶさりますが伝統行事なのでここはノーコメントで(笑)。
左側に見える黒い丸太はカヌチ棒という雄綱と雌綱を繋ぐ棒です。
与那原大綱曳はこのカヌチ棒が入った瞬間に始まるのが特徴の一つです。



カヌチ棒が入ってすぐに綱が地面に落とされていきなり始まりました。もう辺りは大歓声です。



銅鑼や法螺貝が勝負を熱くさせます。みんな必死に綱を引きます。



軍配は東の勝利。場内アナウンスによると東の勝利は6年ぶりとの事でした。
再び旗頭が立って健闘を称え合います。
綱引きは2回行われて次は西が勝利しました。

与那原大綱曳は尚永(しょうえい)王が在位した1573~1588年頃に起源があるとされています。

当時の与那原は作物の不作と害虫によって大飢饉になりました。
悩んだ村頭は口減らしで捨てられていた老人に対策を聞きました。
すると老人は『村人総出で太鼓や鐘を鳴らして大声で綱を引く様に』と言いました。
すると害虫はいなくなり村人は飢餓を免れました。
その事を聞いた王は毎年、豊作祈願で綱を引き、老人を捨てる事を禁じました。
これが与那原大綱綱曳の始まりとされています。



与那原町のマンホールは綱曳がデザインされています。
これからも伝統は根付いていく事でしょうね(*^^*)。