新垣(あらかち)グスク | 沖縄の裏探検

新垣(あらかち)グスク




糸満(いとまん)市新垣(あらかき)集落の標高約100メートルの丘陵にあるグスクです。
築城年代や築城者は詳しく分かっていません。

集落は丘陵の南側に展開しています。
約1キロ離れた場所に山南王(さんなんおう)の居城である南山(なんざん)グスクがあり、新垣グスクは南山グスクの出城と考えられています。
出土物はありませんが近辺には村跡やグスク時代の遺跡があってそこから遺物が採取されています。



グスクの入り口は南側と北側にあります。集落側の南側から進入します。



しばらく行くと道が左右に分かれます。右はグスクへ進み、左は北側の進入路への道になります。



道を右に曲がると右手側に積石で囲われた大きな井戸跡があります。



井戸跡から先に進むと石段が見えてきます。
石段は途中で曲がって更に上に続きます。



石段を上りきるとコンクリート造りの祠と一段高い基段のある広場に出ます。



基段は短い石段で上がれる様になっており二つの拝所があります。



祠の中には白香炉が置かれてある拝所と火の神が設置されています。
拝所の銘は『新垣城 南山神世』と書かれてあります。



祠や基段を取り囲む様に野面積みの石積みがあります。
この石積みで囲われた部分が一の郭とされています。


道を戻って井戸跡の向かいから道を進むと一の郭の下に進めます。
その先には小さな広場があります。



その広場の近くに石段があり、上がって行くと一の郭の石積みと一体化した古墓があります。
グスクの全体像としてはとても良く残っています。

グスクに関する興亡はありませんが、集落には近隣の真栄平(まえひら)集落との話があります。

真栄平(まえひら)ノロという真栄平村の祭祀を司る女性が新垣村の祭祀も行おうとした為に新垣村の人々は反対しました。
そこで竹を逆さまに植えて根付いた方を勝ちとしました。
新垣村の竹は枯れてしまいましたが、真栄平村の竹は根付きました。
それからは真栄平ノロが新垣村の祭祀も行う事になったという事です。