エンバーマー
橋爪 謙一郎
4396613237

著者の橋爪謙一郎さんとは、1月末のアタッカーズのOB会で
お目にかかりました。


ちょうど発売の数日前ということで、御本のお話を伺っており、
遅ればせながら拝読しました。


エンバーミングとは死体に防腐処理をして化粧を施す技術(大辞泉)
のことです。私は今回初めてこの言葉を知りました。


橋爪さんは渡米して7年をかけてエンバーマーのライセンスを取得され、
日本でエンバーマーや葬儀のプロを育てることに専念するために帰国。
現在はエンバーミング事業やグリーフケアをサービスの中心とする
関連業者向けのコンサルティング事業をされています。



「死体の防腐処理」と言っても、いったい何をするのか?と、
読み進めていくと、かなり専門的で複雑な処理が行われることが
わかります。


しかしそれ以上に、、エンバーミングの根本にあるのは遺族の心を
サポートすることにあるのだということがわかります。


本文中ではアメリカで橋爪さんがサポートしてこられた、いろいろな
お別れの物語が紹介されています。涙があふれて、先に進めなくなる
ところもあります。


死に向けての心の準備、別れの準備とはいかなるものか。
自分の死生観をまた、問われる本でした。



私の母が亡くなった時は、ドライアイスで処置をされていたように

記憶しています。


お通夜の前の、仮通夜は、まだ棺には入れられておらず、
自宅のお布団に寝かされていました。


私は泣きながら、硬くなった母の頬を何度も何度もさわって、
言葉をかけていたように思います。


そんな、奥底に沈んでいたいろいろな記憶がよみがえってきました。

この本を読んでからおくりびとの映画を観に行きました。
号泣でした。



以下、心に残ったところです。

これから生きていくご遺族にとって「お別れの準備」は、これから
なき人がいない状態で生きていく準備でもあるのです。


グリーフケアの授業では、まず「自分自身」とむきあうところから
始まります。
自らの死生観が、ご遺族と接するときに必ず影響を与えるから、
それをあらかじめ理解しておくことが重要なのです。
それは、自分の思い込みや先入観をご遺族に押し付け、結果的に
悪い影響を及ぼしてしまうことを避けるためです。



大学院で学ぶことは、「90%が自分自身について、7%が理論、残りの
3%がスキル」ということです。
自分自身を知るためにそんなに長い時間とお金をかけるのか……。
そのときは、疑問を感じたのですが、実際にたくさんの知識を身に
付けていても人の支えになれていないカウンセラーを見ると、
そのとおりだなと思います。
自分自身を知らずに、相手と接していると、すべてを自分の知っている
ことに当てはめようとする傾向、つまり「押し付け」になるからです。



「御自宅にお迎えに行くときは、どんなことがあっても、取り乱すなよ。
ご遺体にどれだけ尊厳をもって大切に接することができるかという姿勢
だけが、ご遺族を安心させるんだからな」



「グリーフサポート」のためには、とことん、コミュニケーションをとり、
相手の悲しみや怒りをはじめとする「悲嘆の感情」に、共に向き合うこと
が重要なのです。
サポートを提供する我々は、ご遺族が、周りと自分とを比較する必要なく、
素直に自分を見つめられるように援助すべきです。
エンバーミングをすることで、それがすぐに解決するとは思っていない
のですが、少なくとも亡くなった人、その死に伴って表れた感情に
向き合う時間を作ることができます。と同時にご遺族が自分の苦しみを
無理せずとも表に出せるようになるはずです。
エンバーミングによって、悲しい現実を直視することができ、その中で
「楽しかったこと」、「感謝していること」、「この人と出会えてよかった」
と、気付くのです。


「どのような処置をしたら、ご遺族にとっての故人らしさを取り戻せるか?
ご遺族がきちんと気持の整理をつけながら、亡くなった人とお別れが
できるのか?」



どのような人でも、死に向き合うことを避けたり、悲しい気持ちに蓋を
したりせず、正面から向き合って欲しいのです。
そこには、向き合うことで見えてくる真実が絶対にあります。僕自身、
これまでの人生、死に向き合ってきたことで、生きていることへの感謝が
より深くなっていました。




今一度自分の死生観を見つめなおすため、読み返したいです。


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