昨日は、アル・ゴアの『不都合な真実』の翻訳などで一躍有名になった
環境ジャーナリスト枝廣淳子さんのシステム思考入門セミナーに参加してきました。
午後は別の予定があったため、午前3時間の入門編のみの参加でした。
枝廣淳子さんは私が最もモデリングをしている女性です。
目標達成力、行動力、そして自分の望む生き方をしている
という点で、突出した活躍をされている女性。
自分を信じて進むこと、努力を怠らないこと、がその活躍の
根本にあると思うのですが、それ以外にも何か秘訣があるのでは?
ということで、この「システム思考」のセミナーに申し込みました。
なぜあの人の解決策はいつもうまくいくのか?―小さな力で大きく動かす!システム思考の上手な使い方
枝廣 淳子 小田理一郎
本は以前読んでいましたが、なかなかセミナーの日程があわず
この時期になってのセミナー受講となりました。
システム思考自体は1950年代にMITで開発されたもので、
長い時間軸で、全体的に考える力をつけるために、
デュポン、シェル、インテルなど世界中の企業で、
エグゼクティブに対して研修が行われているそうです。
また、『世界がもし100人の村だったら』も、システム思考を提唱した
ドネラ・メドウス氏の論文が元になっているそうです。
システム思考とは、
問題状況を引き起こしている構造を見極め、
構造に働きかけることで、望ましいパターンや状況を創り出そう
と考える手法です。
一つの問題現象の背景には、直接的な原因があるのではなく
いろいろなものが連鎖的につながっているため、それを
見出していって、どこに働きかけをすることで、問題状況を
大きく変えられるかと考える、非常に知恵のある解決手法
だとということができます。
システムとは、循環、つながりのことで、もともと非常に東洋的、
日本人的なもの。
欧米の文化はとても直線的で、前に進むことが良いことであり
ぐる~っと循環して戻ってくるのは、ネガティブなこととして、
とらえられることもあるそうです。
その証拠に、英語には「pro(前へ)」がつく単語が非常に多い。
まずは個人レベルで考えると、システム思考について
理解しやすいかもしれません。
例えば、2時間で何かの原稿を執筆しようとする。
原稿を書いている途中に、ふと、「あ、あの人にメールの返事、
してないや!」と思いだす。
忘れないうちに、とメーラーを立ち上げてそのお目当てのメールを
探しているうちに他のメールも目に入り、気づいたら原稿を書くという
当初の目的は果たせず、メールの返事をして2時間が終わっていた
というような状況。
このときに大切なのは、その「人」が悪い、と人をせめることではなく
この状況はどんなパターンで起こっているかという構造を見出していくこと。
まず何が起こって、次に何が起こるのか?
それをシステム図というループ図にあらわしていき、
どこに働きかけをすれば、問題の状況を変えていけるか?というように
全体的に考える。
このメールの例の場合は、思いだした時点で、ToDoリストにメモをする
ということが、状況全体に働きかけをする上で取りうる1つの対策となります。
何か1つの正解があるというわけではなく、どこにどんな働きかけを
することで、どんな変化をもたらせるか、というのが重要な点だそうです。
様々な問題状況はいくつかのモデルに分類できます。
それはシステム原型として、本の方で詳しく解説されていますので
ご興味がある方はぜひ、ご覧になってみてください。
ただ、セミナーを受けてみて、これは本だけではわからないなあ
というのが実感です。
実際に自分で状況を把握して、ループ図にしてみて
しかもそれを繰り返すことでしか、枝廣さんが言われていたように
身につけていくのは難しいと思いました。
あと、状況を把握した後の解決策は、これも種類があって、
まず物理的に変えてしまう、情報の流れをつなぐ、ルールを作る、
メンタルモデル(思いこみ)を変える、などがありますが、
メンタルモデルを変えるというのが、個人はまだしも集団においては
非常に難しいそうです。
いずれにせよ、フレームワークと同様、こういったツールは
使いこなしてこそ意味があるので、まずは問題だなあと思ったことは
ループ図にしてあらわす習慣をつけたいと思います。
シンプルマッピングと同様、最初にやってみようという障壁が低いので、
これは続けていけそうな気がします。
ロジカルシンキングとも違うので、一度読まれておいた方がよいと思います。
入門! システム思考 (講談社現代新書)
枝廣 淳子
入門編もありますが、冒頭の『なぜあの人の~』の方がループ図が
たくさん出てくるので、わかりやすいです。