母の旅立ち その11 | ぽっちゃむの戯言

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慣れない土地で子育て頑張ってるアラフィフの戯言。

斎場での待ち時間は従兄妹や友人とたくさん話して気を紛らわせていました。

 

母の葬儀をお願いした僧侶がたまたま母の中学の同級生だったこともあり、その話で従兄妹達と盛り上がりました。

お寺が「大泉寺(仮名)」だったので「大泉くんだと思ってたら、卒アルみたら山田君だったよ。」なんてどうでも良い話をしてあっという間に時間が過ぎていきました。

 

 

時間になり、火葬炉から出てきた母は当たり前ですが骨だけになっていました。

こんなの母じゃない。

ここでもまた感情は「無」で、骨を骨壺へと入れました。

 

 

斎場でのやりとりが全てが終わると、また葬儀会場に戻り繰り上げ初七日の法要と精進落としをして葬儀がやっと終わりました。

 

 

家に帰り、骨壺に収められた骨を眺め、本当にいなくなっちゃったんだな~と。

49日になったらお墓に行っちゃうのでその前に・・・と、手紙を書いて骨壺に忍ばせました。

 

 

骨壺と過ごした何日目かの夜の事。

電気を消してそろそろ寝ようかな~と思っていたとき、冷蔵庫が開いてグラスに氷を入れる音が響きました。

父かな?父にしてはこんな時間にめずらしいな~。と思っていると、パタパタパタっと足音が聞こえてきました。

この足音は・・・と思っていると、部屋の入口が開く音がしました。

!!!!

でも、扉は開いていません。

そして、部屋の中は何も変化がありません。

 

足音は・・・母の足音だったんです。

部屋にも入ってきたんです。

ちょっと怖かったけど。

でも、なにも感じませんでした。

感じることができませんでした。

 

翌朝、父に「昨夜寝た後一回起きて、冷蔵庫から氷出して何か飲んだ?」と聞いたら「そんなことしてないよ~。」

 

ここで『やっぱり母だったんだ・・・・』と確信しました。

翌日も来てくれるのかな?と思って待っていたのですが・・・

後にも先にもその1度だけでした。

見えなくても良いから。音だけでも良いから。

またなにかを感じさせて欲しいと思っていたんですけどね。

 

 

16年経った今。

母に嘘をついたことを後悔しています。

(一生結婚はしない。と30歳で宣言してました・・・。)

母の最期の電話に出なかったことを後悔しています。

一生後悔し続けると思います。

それが自分のしてしまったことだから・・・。