





洋館の角部屋を飾る壁紙。
一際輝いて見える壁がありました。
当初私が一般公開前に訪れた際は、
2階部分は上がる事ができなかったので、お初になります。
ここに用いられている壁紙は、「金唐紙」といい
日本ならではの職人の技による物になります。
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「金唐紙」(きんからかみ)とは、
元々ヨーロッパで壁の内装に用いられた
「金唐革」(きんからかわ)の技法を和紙で再現した物で、
「擬革紙」とも呼びます。
金唐紙は金属箔を貼った手すき和紙に、
文様を彫った版木棒を重ね凹凸をつけ、
彩色した皮に見える豪華な最高級壁紙です。
箔の上に塗る塗料次第で、金色にも落ち着いた色合いにもなります。
「金唐紙」は、明治の頃には欧米で高い評価を得、輸出も盛んに行われました。
しかし、機械化の波にのみ込まれ
昭和の声を聞く頃には、
このような手作業の多い職人技は、工業製品としての「金唐紙」は
衰退し工芸品と成ってしまいました。
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現在、この「金唐紙」の技術は他の場所にも復元されていて、
例えば、丸の内のペニンシュラホテルのスィートルームにも
用いられているそうです。
また他にも私が関心したのが、繊細な細工がしているかわいいランプに
壁紙と暖炉や扉などの装飾物との境目にぴったり付けられている、
帯状の飾り紐。
どれもかなり手間がかかっています。
私は、ついこういう細部にも目がいってしまいます。