以前より腰痛を持っていたが、今回、重いものを右後方に強く引いた際に、

腰部から右下肢に激痛が走り動けなくなる。


その瞬間をご本人は、「ゴリッと音がした」という感覚を持たれておりました。


来院時は、歩行困難、カフサイン(+)、疼痛緩和肢位(左に傾く)を取られています。


徒手検査において、腰部階段状変形(+)、SLR右(+)、MMT(TA/EHLともに)4、右下肢シビレ(+)が認められ、【腰椎変性すべり症】が疑われます。



今回の患者さまのMRI画像(T2)

体幹の硬性コルセットをギプスで作りました。

装着してもらうと痛みが和らいで歩行も可能となりました。


後日、MRI検査にてL4/5間のすべり症、脊柱管狭窄、椎間孔狭窄が確認できました。

現在は、症状が緩和したため、経過観察となります。


今後も再発をしないよう、悪くならないよう、生活指導、運動指導をしました。

(これが、一番大切です!)



【腰椎変性すべり症】とは?


 すべり症は、背骨(脊椎・せきつい)同士が前後にずれた状態を指します。その中で、椎間板の老化による不安定性が原因でずれたものを「変性すべり症」と呼びます。


 変性すべり症は、腰痛・下肢痛だけでなく、脊髄の通る管(脊柱管・せきちゅうかん)が狭くなるため、馬尾(ばび)神経の圧迫による脊柱管狭窄症の症状も現れます。


 歩行によって下肢痛やしびれ感が出現し、前傾で休むと軽快する間欠性跛行(かんけつせいはこう)と呼ばれる症状や、会陰部(えいんぶ)のしびれ感や、排尿排便障害を来します。