図1・骨端部にかかる力(10歳の足断面)
図2・成人と成長期の踵骨の違い
体育でバスケットボールをやった後、歩くたびに踵が痛く、帰宅後に痛みが増悪する。
翌朝、痛みがやや軽減していたが、帰宅時には再度痛みがひどくなり、来院されました。
腫脹(±)、踵骨内側の圧痛(+)(図3部分)、下腿三頭筋tightness(+)、歩行・特にジャンプ痛(+)、のためシーバー病の可能性が高いと判断いたしました。
Bモード超音波画像検査装置で確認しましたところ、踵骨骨端核に不正像が見られ、踵骨骨端症が疑われます。(図4)
テーピング・包帯固定をして、5日間は運動をお休みしていただきます。
その後、運動指導とストレッチを始めます、本来はこちらがとても大切です。
シーバー病とは・・・
踵骨骨端症(しょうこつこったんしょう)で、10歳前後の男児に多くみられる病気です。
かかとの若干の腫れ、圧痛(押すと痛い)、歩行時痛がその症状です。
ジャンプやダッシュなどの運動のあとに症状が出ることが多いです。
成人では一つの骨となっていますが、成長期の子どもの段階ではまだ一つの骨としてできあがっておりません。(図2)その強度の弱い踵骨骨端部(かかとの骨の端でアキレス腱が付着しているところ)に、ジャンプなどのかかとへの負荷、アキレス腱の牽引力などが引き金となって炎症を起こしてしまうのです。(図1)
ほかに、下腿三頭筋の柔軟性の低さ(踵骨への牽引力を強める)、筋肉と骨の成長のバランス(骨の成長に筋肉が追いつかない)、ジャンプ・ダッシュなどの踵への衝撃の強さなどが影響していることが多いため、その点を考慮して治療してゆくことが大切かと思われます。



