昨日からの痛みが増悪し、レッスンを続けらないとのことで、

バレエの先生が急遽、左足を引きずりながら来院されました。


左足部の内側、土踏まずの一番の高なりの周辺が痛く、足をつく動作で痛みが増します。

発赤(+)、圧痛(+)、腫脹(+)、と炎症反応が出ています。


痛みが出た後に、ご自身で揉んでしてしまったとのとこで、

さらに炎症を拡大させてしまった可能性があります。


痛みの箇所を超音波画像にて確認したところ、外脛骨が確認できます。

(添付で解りにくいですが、舟状骨の間が抜けて見えます)

今回のように痛みを伴う場合、『有痛性外脛骨』と言われます。


有痛性外脛骨とは?

後脛骨筋の付着部である舟状骨の脇に過剰骨が存在し、

(正常な人でも15%の人に存在しているといわれています)

走る、ジャンプするなどの動作を繰り返すことによる過度な牽引力により痛みが生じます。


そもそも、赤ちゃんの骨はほとんど軟骨でできています。

そしてその中に『骨端核(こったんかく)』と呼ばれる小さな骨のタネみたいなものがあります。

その骨端核は成長ととも軟骨を置き換える形でだんだんひとまとまりの骨に変化していきます。


成長期に過剰なストレスが加わると、ひとつになるべき舟状骨が繊維性の結合となってしまうことがあり、

ふたつに分かれてしまっているため痛みを起こしやすいとされています。


こちらの患者さんも幼いころからバレエをされていたとのことです。

また、最近ハイヒールで歩かれたことも重なり、症状を起こしたものと思われます。


テーピング・湿布・ホワイトテープおよび足底板による固定を行い、安静をお願いしました。

レッスンを待っている子供たちとバレエが再開できますように、こちらもしっかりと経過をみていきます。