大学で担当教官だった先生の
訃報が届きました

まだ亡くなるほどの歳では
なかったのだけど

恩師…とはいえ
在学中はソリが合わないことが多く
色々あった先生でした

先生は

私が学生時代2年ほど在籍していた

楽団の常任指揮者で

その団を事前に相談せず

いきなり辞めた事で

先生は激怒し

以後、卒業演奏会に向けての

担当教官でありながら

腹を割った会話も出来ず

レッスン内容も

質が低下した状態が続き

卒業するまで

その怒りが続いたのでした


そして、そのまま私は卒業し

完全に縁が切れました


普通、音楽を続けていたら

担当教官の元には

卒業生が度々訪れるものですが


私は行けるわけがない


たかが市民バンドを

辞めたぐらいで

先生をそこまで怒らせるとは

思いもよらなかったのですが


今にして思えば

「信頼されていなかった」と

落胆させたのかもしれません


私も若かったけど

先生もまだ30代だったから

お互い「若気の至り」でした


楽団を辞めた理由は

団内の劣悪な人間関係

サックスパート内で

あからさまに仲間外れにされ、

順番待ちしていた機会も

不当に奪われて

当時何の力もなかった私は

1人で悩み続け

ストレスで周囲が心配するほど

激痩せしました


これがトラウマとなり

自分だけが疎外されることに

今も極端にナーバスになります


このままでは

自分がダメになる


負けて逃げるようで

悔しかったけど

一晩泣き腫らしながら

自分に言い聞かせ

辞める決心をしたのでした


そんな酷い目に遭っていたなら

辞める前に先生に相談すればいいと

思われるでしょうが


入団当初から歓迎されず

招かざる客扱いではありましたが

私も彼らを恨むばかりで

いい関係を築こうと努力せず


自分にも非があったと

自覚していて


当時の先生は

そういう点に

グサッと突き刺さる物言いを

する人だったので


傷口に塩を塗られそうで

どうしても相談できませんでした


辛かったけど

あの団を辞めて

その時の人間不信から

もう音楽は辞めようと

一時音楽を離れた事で

別の世界を知るきっかけになり


再び音楽の世界に戻って

やはり居場所探しには苦労したけど

あちこちで武者修行ができました

そこで得た経験と技術は

何にも替え難いものです


私にとっては

必要な試練でした



あれから随分時が経ち

互いに歳を重ねたので

もしどこか音楽関係の場所で

先生に会うことが有れば

当時の事を謝れるといいな…と

思っていましたが

それも叶わなくなってしまいました


心の中でお詫びしつつ

ご冥福をお祈りしたいと思います