「彼氏」という存在がいた頃
当時は携帯どころか
PCも普及していなくて
メールという手段もなく
連絡を取るには
自宅電話しかありませんでした
本人が出ればいいですが
大抵は母親が出ます
ある日
電話したら母親が出て
本人が外出中だった事もあり
突然の一言
「あなたたち、いつ結婚するの?
うちは、いつ来てもらっても
いいのよ」
付き合い始めてから4年近く
親としては
ヤキモキしていたのでしょうが…
それ、私に聞く事?
なぜ息子に聞かない?
正直
結婚する気は
全くありませんでした
周囲の結婚経験者から
エグい苦労話を散々聞かされ
今も結婚には恐怖感を
抱いています
それに
結婚して子供ができたら
自分の事は一切できなくなるし
自分の時間はほぼなくなる
当然趣味もできなくなる
仕事もできなくなるから
収入も失う
失うものが多過ぎる
その点、男はいいなあと
責任は増えるかもしれないけど
結婚しても基本的な生活は
あまり変わらない
そして、1番の難点は
彼が長男だったので
結婚したら
嫁に入らなきゃならない事
彼も母親も
それを当然のように
決め付けていたけど
私だって長女なのに
なぜ女ばかりが
嫁に入らなきゃならない?
デメリットしか
思いつかなかった
結局、それを乗り越えてでも
彼と共にいたいという
それだけの想いが
彼に対してなかったということ
なのですが
ただ、週末を一緒に過ごす分には
楽しかったので
4年ほど続きました
話を戻して
母親の問いかけには
「私も長女だから
お宅に入ってしまうわけには
いかない」
と、無難に答えました
すると
「そう言うと思った
じゃあ
いつまでも付き合っていないで
そろそろ考えなきゃね」
だって
だ・か・ら
それって私に言う事?
で、極めつけが
「この事は息子には言わないでね」
自分の言動が
間違っていると承知の上で
息子の彼女に嫌がらせする母親
最っ低❗️❗️❗️😡😡😡
「絶対あんたの所には
嫁に行かないよ」
と、心の中で叫びました
っていうか
今ならはっきり言うかも
元々私は
あの母親には
よく思われていませんでした
付き合い始めて間もない頃
たまたま少し遠出した先で
彼の車が故障して
終電に乗れなくなり
彼の家に泊めてもらったのですが
「嫁入り前の女の子が
夜中までほっつき歩いて」
と、私だけが散々叱られたのです
まるで私が
引っ張り回したみたいな
言い方をされました
なのに
全くかばってくれなかった彼
こんな家に嫁いだら
味方も逃げ場もないな…
と、その頃から思っていたし
この時彼に対して
信頼しきれない一面が
できてしまいました
自分の親から離れて
この母親に仕えるなんて
死んでも嫌だ❗️
この電話の事を息子に言えば
逆襲のチャンスかも!と
彼にぶちまけて
やりたかったのですが…
彼に罪はありません
自分の親が
そんな事をする人間だと
知ったら
もし私がその立場だったら
自分の親の事を
恥ずかしく情けなく
思ってしまう
それは辛くて悲しい事
だから、グッとこらえました
別れるにも
電話の事は話せないし
切り出す理由がなくて
その後半年ほど
何事もなく
付き合いは続いたのですが
私の妹の結婚を機に
結婚したいと彼が執拗に言い始め
会う度に口論になる事が続き
互いの予定が合わなくて
会わなかった週末
会わずに済んで
ホッとしている自分に気づいて
その翌週
また口論になったタイミングで
「結婚したいなら他の人と」と
ようやく終わらせたのでした
身内を失ったような
寂しさはありましたが
それも一瞬だけ
むしろ重い荷物を下ろしたように
スッキリして
暇になった週末を埋めるため
7年休んでいた
音楽を再開しました
その後彼は
1年も経たないうちに
同じ会社の事務の女の子と結婚
男性ばかりの職場内での
貴重な女子同士だった事もあり
その彼女とは親しくしていたので
実は彼女が彼に気がある事を
聞いていました
職場内の恋愛は
片方だけ転勤させられる
前例があったので
秘密にしていて
彼女にも気付かれていなかったのか
それとも気づいていて
敢えて私に宣戦布告したのかは
わからないけど
別れる少し前に
彼女から花火に誘われたと
彼から聞いて
行くように背中を押しました
できれば彼女と
うまくいってくれたら
という期待を込めて
社内結婚同士が同じ職場にいる事が
絶対認められない
うちの会社
結婚後間もなく
契約社員だった彼女は
クビになり
少しして彼も会社を辞めたので
その後どうしているかは
わかりません
嫁に入って同居したようですが
果たしてあの母親と
上手く付き合えているのかな?