サプライチェーンの基礎からDXについて勉強中です。
世の中にある書籍を様々、読み進めておりまして
自分の備忘録も兼ねて記録しています。
●日の丸コンテナ会社ONEはなぜ成功したのか?
サプライチェーンを専門としていると、海上コンテナ輸送は
世界的に標準化が進んでいて、輸送効率化が実現されている。
陸上輸送(トラックなど)が見習うべきである。
という話題に時々触れます。
日本の大手海運3社のコンテナ事業を統合した新会社ONEに関する書籍でした。
まず、大手海運3社は、
・川崎汽船
・商船三井
・日本郵船
です。
いずれの企業も総合海運事業ですので、コンテナ船だけでなく
不定期専用船など多くの事業を抱えていました。
コンテナ船事業だけを切り出して新会社 Ocean Network Express を結成した。
コンテナを取り扱うのは、ただ船を運用するだけではなく
港でのコンテナ積み下ろしクレーンなどへの投資が非常に巨額に必要で、
いくつもの事業の中のひとつという位置づけでは投資競争に負けてしまうから。
という理由に納得できました。
統合した結果、業績も非常に良い。
これはこれまでに良く見られた、統合したけどあまり実力発揮できずじまいの例と
大きく異なります。その理由を探している点が非常に面白かったです。
・最大の要因は親会社がいる東京を遠く離れたシンガポールを本拠地としたこと。
新会社が親会社のしがらみを受けずにベンチャーとして踏み出すことができた。
・第2に、政府や銀行など他の意向は一切入らず、海運3社だけの思惑で進めたこと。
・第3に、ベストな運営体制イメージが新会社幹部にできていたこと。
すなわち各社で海外拠点でコンテナ事業を担っていた若手がそのまま新会社幹部になった。
・第4に、30から40歳代の若手に大きく権限が渡されたこと。第3の結果、新幹部がそもそも40歳代だったことによる。
いかがでしょうか。
私はこれらの理由にとても納得いきました。
ここ数年での業績が好調という訳でして
この先はどうか、まだまだ分かりませんが、素晴らしいなあという感想を持ちました。
そして、ONEのコンテナやコーポレートカラーの「ピンク」
正確には赤紫色らしいですけれども、これも気に入りました。