サプライチェーンの基礎からDXについて勉強中です。

世の中にある書籍を様々、読み進めておりまして

自分の備忘録も兼ねて記録しています。

 

●私のウォルマート商法

 

 

 

 

米国の巨大ディスカウントストアチェーン、ウォルマートの

創業者である サム・ウォルトンの著作です。

 

ウォルマートという名称、ウォルトン氏から取っているということに

初めて気が付きました。

 

1992年に亡くなられていて、この著作は無くなる直前期に執筆されています。

 

2023年の現在からすでに約30年前の著作であり、さらに中心になるのは

1960年代から1980年代ですので50年以上前の話が中心です。

しかし、びっくりするくらい共感できる内容ばかりでした。

 

以下、ピックアップします。

 

・顧客に低価格と満足の保証を約束する。

 

・競争相手の店に行って視察せよ。欠点は探すな、長所を探せ。

 正しいことに興味があるのだ。そして誰でもひとつは正しいことをしているものだ。

 

・店員にお客を大切にするよう幹部が望むなら、自らも店員を大切にしなければならない。

 

・従業員をアソシエイトと呼び、利益配分制度により実利でもパートナーとなった。

 

・わが社の手法は本拠地を中心に手の届く範囲に出店し、飽和状態になるまで

 一つの商圏を寡占化していくものだ。

 

・土曜日の早朝会議は企業文化の核心だ。

 小売業を職業として選んだからには、土曜日に働くのは当然である。

 

サプライチェーンに強く関係する記述でも印象深いものがあります。

 

・バイヤーはサプライヤーとウォルマートのために交渉するのではない。

 お客のために交渉するのだ。

 お客はできるだけ安く買う権利がある。

 

・店舗へ毎日商品を配送することを誇りにしていた。

 特に小型の店舗ではこれが最適ではないことが判明し、

 現在では4つの配送プログラムを用意して各店舗が自由に選べるようにした。

 

そして、P&G社との以下のやりとりが圧巻でした。

 

・私たちはチェーンストアとサプライヤーとの関係を全面的に見直す必要がある。

 両社ともに顧客のことを第一に考えてはいたが、それぞれが関係なくやっていた。

 情報の共有、共同計画、システムの調整などは一切なかった。

・お互いの幹部10人を集めて徹底的に2日間議論をした。

 その結果、まったく新しいパートナーシップを築いたのだ。

・重要な一歩はコンピューターによる情報の共有。

・この情報をもとに製造原価や粗利益率をすべて話し合って、

 生産や出荷計画を立てるようにした。

 

これは、CPFRといま呼ばれているものです。

もちろん本著作ではそんな名称は出てこないですが、びっくりしました。