※使用した画像はNHKの公式HPや、録画したドラマのデータから
抽出して利用しております。全て批評目的の引用であり、他意はありません。
ようやく本編の放送分に近づいてまいりました。前回の第16回
「さらば父上」で清盛の父であるミキプルーン忠盛が退場し、
第一部が終了。この第17回「平氏の棟梁」をもって第二部の開始と
唐突にNHKサイドは言いだしました。
プロデューサーの磯義明氏は公式HP上にて
>私はこのドラマを説明する時に、「スター・ウォーズ」を
よくひきあいに出します。日本で1978年に公開された第一作は
全六部作のエピソード4にあたります。その後、エピソード5、6と
描かれた後に、エピソード1に戻り敵役ダース・ベイダーの
生い立ちを描いた「ファントム・メナス」がつくられました。
源平合戦も同じです。よく知られている源義経や頼朝による
平家打倒の話は、壮大な源平のドラマで言えばそれは
後半のワンエピソードにすぎません。このドラマは清盛を主人公に、
エピソード1・武士の創世から始まりました。そしていよいよ
武士が時代の主役へと上り詰める新たなステージに突入します。>
などと、現職の内閣総理大臣野田佳彦氏の「TPPはビートルズだ」
並みの意味不明なことを言ってるみたいですが、それはひとまず
置いておきます。この第17回はあまりにも「ふざけんな、コラ」
と言いたくなるようなシーンばかりでしたので、今回はそういう
ツッコミシーン中心にお送りします。
まずは新棟梁に就任した清盛が、一門の者達を集めて
就任挨拶をするシーンです。最初の挨拶が
「平清盛である」
この場にいる誰もが知ってることなので場は静まりかえり、盛国にも
「わしが男塾塾長
江田島平八である!!」
でも真似たのか
そんなつまらんギャグで尺を取るな
そんなアホなやり取りの後で、
「亡き父の志を継ぎ、武士の世を目指す」とか
「 これは棟梁である俺の、
そして平氏一門の志と心得よ」
とか言われても白けるよなぁ...と一視聴者の私は思いましたが、
とりあえず平氏の棟梁という地位を得たため、多少アホな
言動をしても周りが従う状態になった清盛でありました。
その後のシーンで、清盛は複数の配下の者達から指示を出すように
忠盛パパから清盛への棟梁の仕事の
引き継ぎが上手くいってない様子
でもこの時代のそれなりに勢力を誇っている家系であれば、
細かい仕事は家司がやって、棟梁はそれらの仕事が滞ってないか
確認するのが役目なんじゃないのかとちょっと疑問に思って
しまいました。仮に中小企業の社長みたいに、リーダーが率先して
部下達に細かい指示を出さなければならない状況であったとしたら、
完全に引き継ぎ不足です。そういったことにならないよう、平安貴族達は
日記を残し、宮中での作法とか仕事のやり方などを記して子孫に
残したと言います。あの男色関連記載ばかり取りざたされる
悪左府頼長様の日記「台記」も、そもそもの目的は防忘録や
子孫への訓示的だと思われますからねぇ...。
だからと使用人達に宴席で出す料理を作らせていますが、
出家して池禅尼と名乗った宗子ママに「それで足りるのか」
と言われてしまいます。
あなたはまだお元気なんだから、
キチンと仕事の引き継ぎしなさいよ
と思わずにいられなかったシーンです。
清盛が棟梁になって初めての宴。清盛は上機嫌で
「皆、存分に食うが良い」と一門の者達に声をかけるのですが...
実際時子の見積もりが甘かったせいで、肝心な御膳がこんな貧弱な状態。
でもちゃんと引き継ぎしてない宗子ママも宗子ママだよねぇ...。
それにしても、当時の都で海の魚が手に入ったのか
明石の港から京に腐らずに運べた海の魚ってハモだけだったから、
京都ではハモ料理が発達したと記憶しているが...。
棟梁就任の宴での食膳がこれだけみすぼらしいのに腹を立て、
フカキョン時子に「何とかせい」と怒鳴る松ケン清盛。
時子も時子で、「盛国、魚を採りに行くから支度せよ」とか
無理無理なこと言ってるし...。皆の面前で夫婦漫才状態です。
「それでは耳を満たしてくだされ。
私が幼き頃は、宴で一門の女達が
楽を奏しておったように思います」
と、清盛の異母弟の一人である頼盛が助け舟を出したのですが...
「申し訳ございませぬ。琵琶はとうに止めて
しまいました。いくら稽古しても
上達しませぬゆえ、つまりませぬ」
と時子が拒絶したので、
「お前というやつは、それでも棟梁の妻か~」
と怒鳴る清盛。棟梁に進化して顔は洗うようになっても、
すぐ人のせいにして怒鳴る中二病は治ってませんねぇ...。
一応時子が琵琶を止めたのは他の理由があったのですが、
それは続編にて。それにしても、劇中では時子と夫婦になってもう
10年くらいは経過しています。嫁が琵琶を弾くか否かくらいは
夫ならちゃんと把握しておけと思わざるを得ませんでした。
場面変わって、清盛邸に平氏とは仲良くしている藤原家成卿が
やってきます。家成は宗子の従兄弟で、清盛と家盛の烏帽子親。
鳥羽法皇の近臣でもあり、何かと平氏に良くしてくれる癒し系キャラです。
「忠盛亡き後の平氏の棟梁には、やんごとなき方々も関心を
向けておられる。そこで私の別邸にて歌会を催します。
鳥羽の法皇様や美福門院様、(崇徳)上皇様や摂関家の方々も
お招きいたしますゆえ、清盛様にも一首お詠みいただきたい。
お題は春です」と清盛を歌会に招きます。
しかし、家成卿の政治力は凄いなぁ。鳥羽法皇と、法皇が
“叔父子”と忌み嫌っている崇徳上皇を同じ場所に招いている。
崇徳上皇にとっては、自分を陥れた美福門院と藤原忠通も
許しがたい相手。更に言えば、頼長も美福門院と兄の忠通とは
対立しています。このあたりが保元の乱で頼長が崇徳院と組んだ
理由かも知れませんねぇ。だけど、この前の第16回で家成卿は
頼長の命令で源氏の為義率いる兵達に自邸を襲われています。
それでこんな有様になってましたよねぇ...。
家成卿の大物ぶりを褒めるべきか、一同に会してはいけない人々を
招集してしまった政治力を褒めるべきか、それともそのKYぶりを
責めるべきなのか。家成卿、良く良く考えてみたら
妖精さん系癒しキャラなのか、大政治家なのか、
ただのKYなオッサンなのか、評価が難しくなってきました。
「それだけはなにとぞ歌は不得手で
」
と、歌が苦手な清盛は本気で拒否っています。ですが父の忠盛や
末弟の忠度などは歌人として名高い一面ももっています。
清盛は確かに歌人としては有名でないので、本当に苦手だったのかも
しれません。だけどそれなら他人に代作を頼めばいいだけなのに...。
「棟梁は歌が詠めず、妻は琵琶が
弾けずではお話になりませぬな」
と次男基盛には茶化され、
「まことじゃな」
と基盛に茶化された時子は何故か満面の笑顔で応じているし...。
これではさすがに
「お前が笑うな」
と松ケン清盛が怒鳴るのも無理からぬところです。
家路につく前に、従兄弟の池禅尼(宗子)と談笑する家成。
家成は「三位に就く前に忠盛が亡くなったのはとても残念。
是非とも清盛には三位になってもらいたい。そのためには
助力を惜しまない」と池禅尼に語ります。史実での清盛は
幼い頃の清盛は家成邸に入り浸っていたとも言われています。
平氏の躍進には、家成との協調関係も欠かせない要素であった
のは事実であります。
完全な平氏のホームドラマ展開で話が進んでいた前半部分でありました。
続編に続きます。
平氏のターンはホームドラマが多すぎ。やるなとは言わないが、
もうちょっとなんとかせぇという趣旨に同意いただける方、
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