平清盛第12話「宿命の再会」Vamos的解説1 「清盛は未だに荒れている!」編
平清盛第12話「宿命の再会」Vamos的解説2 水仙をもってまいれ!編
の続編記事になります。
※使用した画像は、ドラマの内容の批評を目的として、
NHKの公式HPの動画及び録画したデータから取得し、使用しています。
あらすじ
源為義は、息子・義朝の帰還を涙ながらに喜び、義朝は
いよいよ源氏の名を京にとどろかせるときだと息巻いた。
御所に呼ばれた義朝は、鳥羽院から今回の働きを褒められ、
今後は京にとどまり励むよう言いわたされた。
義朝は清盛と顔をあわせると、2人は平氏と源氏どちらが強いか
言い合いになる。御曹司同士の戦いが幕を開けたのだ。
10年ぶりの義朝の京への帰還に、父為義は大喜び。
「父上、いよいよ源氏の名を
京に轟かせる時にございます」
義朝も東国で自身の支持基盤を作りあげただけあって、
自信に満ちています。
そして義朝が鳥羽院からお褒めの言葉をいただくシーンです。
(恐らく院の近臣)
「源義朝、こ度の働き見事であった」
ここで言うこ度の働きとは、前回の記事で述べた季節外れの
水仙を届けたこと。そう考えると、何だか微笑ましいというか、
笑ってしまうというか...であります。
義朝
「ありがたきお言葉。一朝事ある時は、
東国の武士(もののふ)をことごとく引き連れ、
法皇様の御元へ駆けつけまする」
鳥羽院
「よくぞ申した。これより先は
「かしこまりましてございます」
鳥羽院に褒められ、得意満面な義朝。ここまでは良かったのですが...
義朝の行く手を阻む海賊...じゃなかった、主人公清盛登場です
清盛
「こんなことで図に乗るでないぞ」
水仙探し競争で呆気なく義朝に敗北した清盛。
ハッキリ言って負け犬の遠吠え的な台詞。
主人公なのに、小物臭さ丸出しの清盛です。
「やはり最も強き武士は源氏だ
それが分かって、今日は気分が良い」
お花探し競争の勝ち負けが、何故「強き武士は源氏」
という話になるのか義朝もイミフな発言をします。
「お前が東国でのうのうと暮らしておった間、
都を守っておったは平氏ぞ!
田舎武士はいつまでも、東国の山奥で
お花でも摘んでおればよいのじゃ~」
と清盛が言い返すというより怒鳴り散らします。
滅茶苦茶な言い分であるうえに、気に入らないと怒鳴り散らす
病気がここでも出てくる主人公清盛です。
一応清盛の言ってる内容を吟味してみます。確かに義朝は
10年もの間東国で暮らしたので、都には不在でした。
しかし義朝の父為義を始め、義朝の家族や他の源氏の者達も
都にいたのですから、平氏だけが都の守備を担ったわけではありません。
それに治安の問題で言えば、都よりも義朝が過ごした東国の方が
格段に悪かったので、治安維持は義朝のいた東国の方が
ずっと大変だったハズです。まぁ義朝自身が山賊まがいな
現地武士達からの搾取をしていたというオチもつきますが...。
義朝をなぎ倒した清盛。携帯している宋剣がいかにも邪魔そうです
貴様ぁ~
もっとも強き武士は平氏じゃ
「強いのは源氏だ」「いいや、平氏だ」といった、ガキの喧嘩レベルな
争いが続きます。本当に成長しない主人公の清盛ですが、
ライバル義朝のレベルもそれと大差ないくらいに低い。
史実の二人を吟味してみると、直接対決の平治の乱で
義朝はあっさり清盛に完敗を喫しましたので、
武士団の頭領としての資質は清盛の方が圧倒的に上であると、
私は考えています。政治的センスでも清盛の方が遥かに上。
義朝が清盛に優っているところといえば、恐らく喧嘩の強さだけです。
同じくらいの兵数で、正面からドンパチやれば、恐らく義朝の方が
強かったと思われますが、実際の戦争は腕っ節の強さだけでは決まりません。
ですが、ドラマでは義朝よりずっと器量が上なハズの清盛の
未熟さばかりが目立ち、清盛と比較したらずっとまともに見えた義朝さえ、
東国帰りでレベルUPしたはずなのに、何故か清盛と大差ないレベルに
なってます。このあたりの二人の描き方が、どうにかならんものか?
と思ってしまう次第です。
さて、本題の御曹司達のロクでもないプロポーズ編に入ります。
まずは義朝から。
あらすじ
屋敷に帰った義朝を熱田神宮で出会った由良姫が訪ねてきた。
義朝は東国で子どもをふたりつくったことを告げ、
由良姫には嫡男を産んでほしいと言う。
乱暴な言い方に反発しつつも、長年待ち続けた由良姫は涙を流し、
ふたりは抱き合う。
清盛に「田舎武士」と言われたことに腹を立て、荒れている
義朝のもとを、第5話(作中では10年前)で出会った由良姫が
訪ねてきます。
10年前に会ったきりという義朝のことを一途に思いながらも、
「ご挨拶せよと父が...」と、
相変わらず素直になれない“なっちゃん由良御前”。
全く由良に対して興味が無かった義朝ですが、
「今は統子内親王にお仕えしています」
という由良御前の言葉に顔色を変えます。
由良(以後紫字は由良の台詞)
「お変わりはございませぬか?と父が...」
義朝(以後赤字は義朝の台詞)
「変わりというほどではないが、
子を二人もうけた。いずれも男(おのこ)じゃ」
「子を二人もうけた」という義朝の言葉に顔色が変わる由良。
「おめでとうございます」と言って立ち去ろうとする由良でしたが...
「そなたも産むか?」
「は?」
「俺の子を産むかと尋ねておるのだ」
「おふざけも大概になされませ」
さすがに由良さん怒りました
立ち去ろうとした由良ですが、狙った獲物は逃がさないハンター義朝。
素早く由良に駆け寄り、引き止めます。
「そなたには嫡男を産んでもらいたい」
「統子内親王内親王様に
お仕えしていると申したな」
「それが何か?」
「バカにして人を何だと思ってる
」
役に立つほど心楽しいことがあるか?
「ずっと俺の帰りを待っておった
「義朝様、お待ちしておりました。
ずっと、ずぅ~と」
なんとも無茶苦茶な義朝の由良御前に対するプロポーズですが、
潔いまでの肉食系な言動を私は支持しています。
義朝は統子内親王との伝手が欲しいと、潔く自分の欲望を
さらけ出しています。それに由良の実家は、義朝の東国での
現地妻達とは比較にならない良家ですので、
嫡男(跡継ぎ息子)の後ろ盾としても申し分ありません。
政治的なことには疎いという描写がされてる義朝ですが、
婚姻政策(だけ)には聡いところを見せています。
事実義朝は正室の由良との間に3人、政略なしでガチ惚れだった
常盤との間に3人、他の妻達の間には一人ずつで計10人の子を
もうけています(記録に残ってない女子がいた可能性も否定出来ません)。
正室の由良との間で3人の子がいるという事実は、由良の実家の
後ろ盾を義朝が重視していたことの何よりの証拠ともいえます。
平清盛第12話「宿命の再会」 御曹司のロクでもないプロポーズ平氏の清盛編
に続きます
私が述べた「義朝が超肉食系なのは、史実と照らし合わせた結果支持出来る」
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