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『「リトル・チャロ東北編」第一話と第二話は正直期待ハズレ』であった件について
の続編で、今回こそ主題である現在放送中の
「リトルチャロ東北編」についての感想などを扱ってみます。
※この記事では番組内容の批評を目的として、
番組HPからあらすじの文章や画像を引用しております。
とにかく、第一話と第二話を観た段階では
「今回のチャロはハズレな可能性が高い![]()
」
と思わざるを得なかった私でしたが、昨日4月21日に放送された
第三話「雪の恋」で多少風向きが変わってきました。
第三話「雪の恋」あらすじ
二枚目のお札を求めてチャロがやってきたのは秋田の男鹿三山。
雪深い地だ。ここでチャロは、心優しい鬼のマゲに出会う。
マゲは、大雪を降らせて村人たちを苦しめている雪女を退治するため、
八ツ星の札の一枚を探しているという。
そんなマゲとチャロの前に、美しい少女・ミユキが現れる。
マゲはミユキにほのかな恋心を抱いていたが、
鬼が人間に恋などしてはいけないと気持ちを抑えていた。
やがて満月の夜、雪女と出会ったチャロは…。
この回の登場キャラは、なまはげ=鬼のマゲと、雪女=ミユキ。
別に公式HPをチェックはしてませんでしたが、録画した第三話を
観ていたらさすがに雪女=ミユキのくだりは簡単に展開を想像できました。
それだけならまたツッコミばかりを繰り返したところでしたが...。
このマゲと名乗る鬼は、何故か人間の味方です。
まぁそれもミユキ(雪女)を人間の女の娘だと
思い込んでいたからかもしれませんが...。
しかし、マゲがミユキに惚れた
のはミユキが
人間(マゲはそう思っていた)なのに、鬼であるマゲに対して
優しく接してくれたからでした。そのことを端的に示すマゲの台詞がこれ。
「ミユキはね・・・、ボクが鬼でも、
怖がらずに笑ってくれたんだ」
ミユキは雪女
なんだから、別に鬼を怖がらないこと自体は
不思議でもなんでもないのですけどね![]()
![]()
とにかく、人間の娘ミユキ(実際は雪女)に惚れてしまった
ため、
人間を困らせる雪女
を退治しようと燃えている、
あまりにも切ないマゲ君なのでありました。
この話では「満月の夜にチャロが探している八ツ星の札を
雪女に対してかざすと、雪女を退治できる」という設定になっていて、
そのためにマゲはチャロに御札探しの協力を申し出ます。
そしてチャロとマゲは二手に別れて御札を探すのですが、
チャロは空振りでマゲが御札を見つけます。
しかし、チャロはクウから渡された巻物を持っており、
その巻物に御札の位置は記されています。
犬であるチャロが巻物を読めない【とはいっても、初代チャロで
チャロを助けてくれたシリウスという犬は人間の本(英語)を
解読していましたが...
】とはいっても、
「鬼で霊力も持っていそうなマゲだったら読めたんじゃないの?」
というツッコミがどうしても生じてしまいました![]()
![]()
それとも、チャロが持っている巻物には滅茶苦茶アバウトな位置
しか記されていないのでしょうか?でもその割には遠野では
簡単に御札が見つかってましたが
。
「あくまで子供用アニメなんだから、深く突っ込むな」と言われれば
それまでですがねぇ...。
ですが、一応チャロとマゲが別行動をとった意味はありました。
ミユキと遭遇したチャロは、彼女に吠えたてた
(一応話しかけているのですが、チャロはあくまで犬ですので)
のですが、ミユキはチャロの言葉を理解していました。
私はこの時点で「ミユキ=雪女なんだな
」と気付いたのですが、
果たしてそのとおり。
ミユキは「マゲはミユキのことが好きなんだ」とチャロに言われて、
自分が本当は月の住民であることをチャロに告げ、更にこう続けます。
「月の住人は、この地球の者と
恋をしてはならないの
」
何故かというと、
「雪女である自分(ミユキ)が地球の
生物と恋をしたら、自分の意思とは
無関係に雪を降らせ続けるから」
だといいます。それは確かに困る![]()
。
この話では、春だというのに大雪が降り続いていますから、マゲという
鬼=妖怪が相手であっても、地球の者とカウントされているのが明白です。
この設定だと、雪女が地球上の生物に恋心
を抱いてしまったら、
雪女
のいる場所は年中雪
が降り続ける永久凍土と変わらない
気候になってしまいます。
もうこの時点で雪女であるミユキが幸せになれないことが確定です。
まぁ雪女の話でハッピーエンドになる話なんて、最近の漫画や
アニメはいざ知らず、昔話では絶対にありません。
雪女であること自体が最早悲劇の始まりですなぁ...。
『「雪女=月の住民
」何かトンデモな設定だなぁ』と私が思った刹那、
御札を見つけたマゲが現れます。
ミユキはチャロに対して自分のことをマゲに話さないように懇願し、
チャロがモゴモゴしている間にマゲが御札を雪女(ミユキ)にかざし、
雪女(ミユキ)は月に帰ってしまいました。
その場面を、各キャラの台詞を拾って追ってみます。
ちょっと細部がうろ覚えですが、大体こんなやり取りでした。
ミユキ
「私は優しいマゲが好き。だけどこの恋はみんなには迷惑だわ」
チャロ
「そんな~
。マゲもミユキのことが好きなのに...」
マゲ
「お~い、チャロ。御札を見つけたぞ~
」
ミユキ
「(チャロに対して)マゲには私が雪女であることを言わないで
」
マゲ
「あ、雪女
」
チャロ
「マゲ、この女(ひと)は...」
マゲ
「雪女退散~
(といって御札を雪女(ミユキ)に向けてかざす)」
ミユキはその場から消え、後にはミユキの付けていた
三日月
型の簪(かんざし)が落ちており、マゲは自分が退治した
雪女が自分の惚れたミユキであることを悟ります。
そんなマゲに対して、チャロは語りかけます。
「ミユキは幸せだったと思うよ。
好きな人の手で故郷に帰ることが
出来たんだから」
そのチャロの台詞が耳に入っているかどうかは分かりませんが、
マゲはミユキの残した簪(かんざし)を見つめながら、
男泣きに泣いているというシーンで第3話は終了しました。
この話でもチャロは全然活躍してませんが、チャロがミユキとマゲの
間に割って入ることで、この美しくも切ない妖怪同士のラブストーリーが
成立したわけです。如何にも日本人好みとも言える悲恋の物語でしたが、
私は見事にNHKEテレの仕掛けた罠にハマりました![]()
![]()
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第一話、第二話と続けてツッコミばかりであったために、
「このシリーズは失敗なんじゃないの?」という気持ちが強くなっていた
のですが、少なくともこの第三話は素直にいい話であると思いました。
唯一引っかかったのが「雪女=月の住人」という設定ですが、
公式HPにはこのように記されていました。
「山形県小国地方などでは、
雪女が月の住人だったという話も
残されている」
これなら、ミユキ=雪女が月の住人であるという設定も、
トンデモ設定とは言えなくなってきます。
一応念には念を入れてググッてみたら、
以下のWikiの記載が見つかりました。
雪女の正体は雪の精、雪の中で行き倒れになった女の霊などと
様々な伝承がある。山形県小国地方の説話では、
雪女郎(雪女)は元は月世界の姫であり、
退屈な生活から抜け出すために雪と共に地上に降りてきたが、
月へ帰れなくなったため、雪の降る月夜に現れるとされる[2] [4] 。
出典
[2]京極夏彦・多田克己編著 『妖怪図巻』 国書刊行会 、2000年、169頁。
ISBN 978-4-336-04187-6
[4] 村上健司 編著 『妖怪事典』 毎日新聞社 、2000年、356-357頁。
ISBN 978-4-620-31428-0
Wikiの記載ではNHK公式HPと同じく山形県小国地方の
雪女=月の住人説が書かれており、更には出典の書籍
(『妖怪図鑑』&『妖怪事典』)と頁数まで記載されていますから、
もう充分裏が取れたといっていいでしょう。
本来なら現物を見るまでするのが良いのでしょうが、
個人ブログの記事なのでそれは省略させていただきます。
ただ、どちらの書籍も2000年発行なのがちょっと気になりました。
そんなに2000年って妖怪ブームだったっけか?
なんて細かい疑問も生まれましたが、それは置いておきます。
チャロでの話の舞台は秋田県男鹿であるので、
雪女=月の住人説の山形県小国地方とは異なりますが、
その点は一致してなくても、あくまで妖怪の設定を使用した
アニメーションの話ですし、話の展開も美しかったので、
ノープロブレムでしょう![]()
これでようやく、今後の展開にちょっと期待が持ててきました。
願わくば、『この第三話「雪の恋」がベストな話』で終わらず、
今後も「さすがだな
」と視聴者を唸らせる展開が待ち受けている
ことを願う次第であります。
次回予告第四話「あした」あらすじ
旅の途中、チャロは福島で一人の老婆・シズと出会う。
桃をひとつくれたシズは、チャロを自分の家に連れて行った。
やがてシズは、亡くなった夫との思い出話を始める。
それは、毎年ひとつだけ桃を持って帰ってきてくれた夫・ゲンタとの、
夫婦愛に満ちた物語だった。
庭にある老木になった桃をもいでチャロに与えてくれたシズ。
チャロはその桃をくわえると…。
犬が果たして桃を食べるか
&
岩手県遠野→秋田県男鹿→福島県福島市
という旅の過程に、滅茶苦茶無理があると感じます...
果たして第四話以降も第三話で感じたクオリティーの高さを
維持できているのか
正直心配であります...
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