本当はセゴビア編で記載していた内容ですが、あまりにも

内容が濃くなってしまったので、独自の記事に昇格したという内容です。




徒然草現代版by Vamos~時事問題からサブカルまで、ワタシVamosが徒然なるままに語ります~
これはスペインの州区分ですが、スペインには10以上から

なる自治州があります。日本でいう○○地方みたいな

区分ですが、各地方それぞれある程度の政治的権限は

所有している模様。とはいっても、私はスペインの歴史こそ

ある程度勉強しましたが、政治状況については無知に等しい

レベルですので、あまり突っ込まないでおきましょう。


私がスペイン旅行をした際に始めて訪れた町はセゴビア

でしたが、同地にはレオン王国という国がありました。

レオン王国は大体ガリシア、アストゥリアス、カンタブリア、

カスティーリャ・イ・レオンを合わせたくらいの地域を

領土としていた国家でした。


しかし元々レオン王国の臣下であったカスティーリャ伯が

独立して建国したカスティーリャ王国に吸収合併されてしまい、

その名は地名及び国旗のエンブレムとして

後世に残るのみとなっています。



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これが現在のスペイン王国の国旗です。

エンブレムが非常に複雑ですね。

これに比べると、日本の日の丸、及び国章の菊は

とてもシンプルだとつくづく思います。

しかし、スペイン王国の国章がこんなに複雑なのは、

歴とした理由があるのです。


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スペイン国旗に記されている国章です。
非常に複雑なデザインですね。



Castile Arms.svg      Leon Arms.svg    Aragon Arms-crown.svg

カスティーリャ王国      レオン王国       アラゴン王国


Navarre Arms.svg      Granada Arms.svg    Blason duche fr Anjou (moderne).svg

ナバーラ王国         グラナダ王国     ブルボン家


スペイン王国の国章は、カスティーリャ、レオン、アラゴン、

ナバーラ、グラナダというかつて存在した5つの王国の紋章

+現在の王室であるブルボン家の紋章

(フランス革命で断絶したブルボン王家の分家)

+αで構成されています。

この国章が、スペイン王国という国家の複雑な

成り立ちを示していると言って過言ではありません。


その他の事項まで説明すると長くなるので、

詳細はスペインの国章Wiki にて確認願います。


ここではお城のマークと、ライオンのマークに注目します。

お城のマーク=カスティーリャ(Castilla)王国、

ライオンのマーク=レオン王国であります。

元々レオン王国の配下であったカスティーリャ伯が、

独立して勢力を拡大。結局元々は臣下筋であった

カスティーリャ王国がレオン王国を吸収合併する形になりました。

その後カスティーリャ王国が統一スペインの中心的

役割を担ったので、王国の中心地となりました。


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スペインの海軍用国籍旗


現在私達がスペイン語と称している言語は、

実はこのカスティーリャの方言。

現地ではカスティジャーノと称しています。

スペインというのは多言語国家でして、

バルセロナを中心とするカタルーニャ地方

(アラゴン王国の領域)カタルーニャ語、

北部のケルト人の末裔が多く住む地方である

ガリシアのガリシア語、

謎の多いバスク地方(ナバーラ王国)のバスク語等は

それぞれの地方の公用語となっています。

更にはアストゥリアス語アラゴン語アラン語

といった言葉もあるそうです。



Granada Arms.svg       徒然草現代版by Vamos~時事問題からサブカルまで、ワタシVamosが徒然なるままに語ります~
グラナダ王国の紋章        グラナダ王国の残したアルハンブラ宮殿


南部アンダルシア州(その一部がグラナダ王国の領域)

の言葉は標準語たるカスティジャーノなのですが、

複数系のsを発音しないといったビミョーな特徴があったりします。

このあたりは方言レベルといって差支えないでしょう。

ちなみに、アンダルシア州はイスラム教徒の王朝が最後まで

イベリア半島において存在していた地域。

日本人がスペインと聞いて連想する

「フラメンコフラメンコ、強い日差し晴れ、闘牛ふぇるじなんど」といった

イメージの殆どはこのアンダルシア地方の象徴であり、

スペイン王国全土には当てはまりませんドクロ

日本人に理解しやすいように独断と偏見を交えて言えば、

「阿波踊りは日本全国で愛好されている踊りであり、

日本人は皆柔道をやっている」

というくらいに的外れな思い込みであることを主張しておきます。


またスペインの北西部ガリシア地方で使用されるガリシア語と、

スペインの隣接国であるポルトガル共和国の公用語である

ポルトガル語は、非常に似通った言葉であると言われています。

またポルトガルは元々レオン王国の前身であった

アストゥリアス王国が編成した辺境伯領であり、

その領主であるポルトゥーカレ伯爵が、レオン王国を

吸収合併したカスティーリャ王国から独立して誕生した国です。

他国人には非常に分かりにくい、複雑な成立過程ですね。


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ポルトガル共和国国旗               ポルトガル共和国国章


ポルトガルは16世紀後半に一度スペイン王国に併合された

ことがありますが、60年程で再度独立を果たします。

もしその時にポルトガルが独立していなかったら、

現在のイベリア半島にはスペイン王国しか存在しなかった

可能性があります(スペインとフランスの国境にあるアンドラ公国は

イベリア半島に入るかビミョーな位置にありますけどね)。

まぁバスク語を除けば、元々ラテン語を起源とした言葉なので

それなりに共通点がありますし、フランコ将軍による

独裁統治時代ではカスティージャーノ以外の言葉の使用は

公式には使用を禁止されていたという歴史があるので、

カスティジャーノが理解できればスペイン国内のどこへ行っても

基本的に意思の疎通はできます。

ただ南米の山奥などでは、原住民の言葉(ケチュア語など)を

使用する人々も少数ながら存在しますので、

カスティジャーノだけでOKとはいかないようです。

ポルトガルは独立国となりましたが、現在のスペイン王国の中にも

現在でも同国からの独立を求める地域が存在します。

ETAというアイルランドのIRAに似た独立運動組織があるバスク地方です。

バスク地方というのは非常に特殊な地域で、特にその言語である

バスク語はインド・ヨーロッパ語族に属さない、成立過程も分からない

という謎だらけの言語です。


Navarre Arms.svg     徒然草現代版by Vamos~時事問題からサブカルまで、ワタシVamosが徒然なるままに語ります~
ナバーラ王国紋章     フランシスコ・ザビエル


そもそもアラゴン王フェルナンド2世に滅ぼされてしまうまで、

バスク地方にはナバーラ王国という独立国が存在していました。

日本に来た初のキリスト教伝道師である

聖人フランシスコ・ザビエルは、ナバーラ貴族の出身です。

ザビエルの父はナバーラ王国の宰相まで勤めたそうですから、

かなりの家格の家系です。

彼は後にイエズス会の創立メンバーとなった後、ポルトガルの

ジョアン三世の依頼でインドのゴアに赴任。その後日本へと

来たわけですが、統一スペイン王国でなくポルトガル王国の

援助を受けたというのは、やはりバスクの男として

祖国を滅ぼしたスペイン王国には屈したくないという気持ちが

あったからかもしれません。



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そんな歴史を持つバスク地方の公用語であるバスク語。

私はバスク語を生で聞いたことはありませんが、

Alaitz Eta maider(アライツ・エタ・マイデル)という

バスク語で音楽活動をしているガールズバンドの

CDを興味半分で購入して聞いたことがあります。

しかし、何一つ理解できる単語がありませんでしたドクロビックリマーク


Alaitz eta Maider Kilometroak 99 Milaka zati

アップYoutubeのアライツ・エタ・マイデル ライブ動画にジャンプします


他にも「木を切る速さを競う」とか、石を持ち上げる競争といった

珍しい力比べ系の競技なども行われている地域です。

ただ、それらの競技は近年競技人口が減少しているそうですがドクロ...。

Martuteneko jaiak 2007: Herri kirolak

アップYoutubeの競技の模様を撮った動画にジャンプします


そんな独自製を強調するバスク地方も、近年では

独立運動は下火になっているようです。

ただバスク地方というのはスペイン側だけでなく、

ピレネー山脈の向こうのフランス側も存在します。

フランス側と合わせれば、欧州によくある小国

レベルの面積と人口規模になりますので、

何かの拍子に独立機運が高まったりする

可能性が無きにしもあらずである」

というのが現実であります。


Aragon Arms-crown.svg     徒然草現代版by Vamos~時事問題からサブカルまで、ワタシVamosが徒然なるままに語ります~
アラゴン王国紋章       FCバルセロナのエンブレム


何かとマドリーと張り合うバルセロナという町を擁する

カタルーニャという地域もあります。

FCバルセロナのエンブレムにはアラゴン王国の紋章の一部が

描かれているくらいですから、もう筋金入りですビックリマーク

最もカタルーニャはバスクと違って独立国家設立意識は希薄なようで、

無理して独立国になるよりも、スペイン王国の一員である方が

何かとメリットがあると割り切っているところがあります。


しかし、それだからこそ自分達の個性の主張には

こだわりがあるようです。
独断と偏見をもって日本に当てはめて説明したら、

東京(マドリー)に反発する大阪(バルセロナ)といった

イメージになります。

スペイン語(公用語であるカスティジャーノ。使用人口は

約4億人と推定されている)版のWindowsが存在するのに、
(使用人口が600万人程しかいない)カタルーニャ語版の

Windowsを作成しようという動きがあるくらい、

独自言語語へのこだわりが強い地域なのですビックリマーク

このカタルーニャ地方も、バスク地方と同じく

スペイン側とフランス側があったりします目...。


それらの事情を鑑みるに、イベリア半島にはバルカン半島の

ような小国が点在する状態へと分裂する可能性も今だに存在します。

「スペイン王国は一枚岩での結束とは

非常に遠い国である」

これは紛れもない事実です。

決してフラメンコフラメンコと闘牛ふぇるじなんどなんて

安易なイメージで捉えてはならない

国であるのですビックリマーク


それはスペイン王国に限らず、世界中どこでも見られる

現象であることを知る必要があると、私は思う次第であります。



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