昨晩の夕食時のこと。TV番組欄をチェックしても観たくなる
ような番組が無かったため、2006年に<江戸東京博物館>
で開催された「始皇帝と彩色兵馬俑展」を見に行った際ni
購入したDVD「彩色兵馬俑」を観ました。といってもこれは
20分程度の兵馬俑紹介ビデオです。


TBS「始皇帝と彩色兵馬俑展」HP

このDVDは凸版印刷が制作したもので、以下のHPで通信販売も
しているようです。ちなみにamazonも試しましたが、こちらでは
登録されていませんでした。


東書Webショップ

本当は自身が所有しているものをフォーマット変換してYoutubeにUPし
それをこのページに貼り付けたら話が早いのですが、
「家庭内鑑賞以外の全ての使用(ネット上へのUPも含む)を禁ずる」
という但し書きが冒頭に入っていたので、ルールを守ってそれは
しないでおきます。代わりに以下の兵馬俑紹介動画をYoutubeで
見つけたので、それを貼り付けておきます。




さて、ここからが本題。結構父の食いつきが良かったので、この機会に
自宅の大きなTV画面(一応32型)で「大秦帝国」を久しぶりに観ようと思い、
父と二人で観始めたのです。この「大秦帝国」というドラマは秦を
強国に押し上げる原動力となった商鞅(しょうおう、紀元前390年 -
紀元前338年)と、彼を採用して政治を任せた時の君主孝公との友情を
メインに描いた作品です。




私はこのドラマが2009年に六本木の映画館で公開された時に観に行き、
内容を気に入ってしまってDVDも購入したのです。多分レンタル店などには
出回らないと思ったからでしたが、どうやら近所のTSUTAYAには置いてあった
のでそれなりに出回っているようです。


このドラマを観る上では注意点が多々あります。

・この時代に中華の国家には騎兵は存在しない
漢民族の国家が騎兵を採用したのは、趙国の武霊王
(ぶれいおう、? - 紀元前295年、在位紀元前326年 - 紀元前298年)
が初めてといわれています。それよりも前の秦国で騎兵が存在する
わけがありません。春秋戦国時代から漢に至るまでの間、
漢民族国家の軍隊の主力は歩兵と戦車隊でした。


・アクションが大げさすぎ
孝公がカウボーイみたいに縄を振り回し、敵の大将を絡めとって
生け捕るというシーンがあるのですが、そのシーンを観ていると笑えます。
高齢者があんなに引きづられたら絶対死にます!100歩譲っても
五体満足ではいられません!


・剣の切れ味が良すぎる
この時代の剣は斬撃より打撃が主体。そんなにスパスパ
切れるものではありません。


といった具合で突っ込みどころも多いですが、戦闘シーンは
本当に圧巻です。エンドロールに中国人民解放軍と書かれていましたが、
この手の中国の映像作品には人民解放軍の協力が不可欠。
だからこそあれだけの兵馬を動員しての撮影が可能なわけです。





日本の映画だと1989年公開の「天と地と」(海音寺潮五郎原作。
ラストは第4次川中島合戦)なんかは頑張ってましたが、この作品の
戦闘シーンは日本では撮影できる場所がなくてカナダでロケをした
のは有名な話です。だから兵隊のエキストラは現地のカナダ人が
ほとんどだったとか...。




2007年の大河ドラマ「風林火山」の第4次川中島合戦シーンの
収録模様。上杉謙信率いる越後軍13,000、武田信玄率いる
武田軍が20,000といわれる日本の歴史を通してみても屈指の
大激戦なのに、兵隊がバラバラにしかいません。あの最終回を観た時
「兵隊の数が少なすぎね?」と非常に違和感を感じたのですが、
撮影現場の様子を見て納得しました。日本国内だとロケ地の
確保も難しく、人件費も高いからとはいえ、国民から徴収した
受信料で番組を造っているNHKがこれですから、他の民放局に
期待するのは無理があります。今世界中をみまわしても、
人海戦術シーンの撮影では人民解放軍が協力する中国作品に
太刀打ち出来るものはないと言わざるを得ません。


話を「大秦帝国」に戻します。中国版は50話くらいある
大河ドラマらしいですが、日本版は劇場公開に合わせて
前後編9時間弱に編集されたバージョンになっています。
これぐらいの長さでないと観るのも大変なので、とてもいいです。
DVD版には当然のように吹き替え機能もついています。
私はどの国の作品でも原語&日本語字幕で観る主義なのですが、
今回は父と一緒に観ているため日本語吹き替えで観ています。
正直口の動きと台詞が合ってなくて違和感がありまくりですが、
そこは我慢しています。昨日はDISC1を観たので、今日明日で
残りの4枚を観る予定です。ハッキリ言って捏造ばかりの
韓国時代劇を観るくらいなら中国歴史ドラマを観たほうが
ずっとタメになると個人的には思っています。


だからと言って、私は今の中華人民共和国
という国家を肯定しているわけではありません。チベットや
ウイグル自治区などでの非道な行為を知るに連れて本当に
嫌になります。また、尖閣諸島のみならず沖縄をも狙っている
のは明らかです。米軍基地に対して反対運動をしている沖縄の
人達は、アメリカが手を引いた途端中国が乗り出してくると
いうことを理解しているのか正直不安になります。
確かにアメリカ兵の中で性質の悪い兵隊がいて地元の住民が
迷惑している現実はあると思いますし、それに対しては厳重に
抗議すべきです。しかし、だからといって
「沖縄にアメリカ軍とその基地はいらない」とすることは
非常に危険です。


沖縄が中国共産党政権の支配下に
組み込まれてもいいんですか?


と米軍基地に反対している沖縄住民の方々に聞いてみたいものです。


話があらぬ方向にそれました。私が言いたいのは

古代中国文明には敬意を払っているし、
リスペクトする。
しかし現在の中国共産党政権はお断り!
早く覇権主義を捨てて真に平和な国家に
なってください!



ということです。まぁ中国が覇権主義を捨てるのはアメリカ
やロシアといった他の大国も歩調を合わせなければ不可能
と考えるので、現実には夢物語に過ぎないかもしれませんが...。