訪問日時2011年12月4日(日)12:00頃
引き続き旧堀田邸の模様をお届けします。
左右に見える襖に描かれている鳥の絵。ガイドの人によると、
珍しい技法で描かれているのだとか。
このお屋敷内に飾られていたご当地ゆるキャラのカムロちゃん。
今回の訪問で初めてその存在を知りました。
〈設定〉
その昔、佐倉城に棲んでいた〈妖かし〉(あやかし)で、こう見えて400歳。
江戸時代の記録書『古今佐倉真佐子』(ここんさくらまさご)に、
「城内で毎晩、8~9歳くらいの〈かむろ〉(おかっぱ頭の子ども)が、
書院の杉戸に描かれた絵から抜け出して遊んでいる」(意訳)という
記述がある。城が取り壊されて以来、城跡の地に眠っていたが…
という設定のキャラだそうです。最初は東北の座敷童のパクリかと
思いましたが、決してそうではない模様。もしかしたら全国各地に
座敷童と同様の言い伝えがあり、佐倉もそのひとつなのかも
しれません。
「こうほう佐倉」というこの地域の新聞広告に折り込まれる広報誌
にてこのカムロちゃんを主人公にした4コマ漫画が連載されている
とのこと。下記のリンクでそのページにジャンプするので、興味を
もたれた方はみてみて下さい。
佐倉城下町400年記念HP
http://www.city.sakura.lg.jp/sakura400/400character/comic201001.htm
今回の本命はこちら。上記画像の下部に何やら写真入りの
解説文が置いてあります。これは左のものが「坂の上の雲」、
右の二つが「JIN-仁-」の収録がこのお屋敷で行われたという
ことの解説文です。「JIN-仁-」では第二部の9・10話が、
「坂の上の雲」では第二部で主人公の秋山真之(本木雅弘)
と後に妻となる季子(石原さとみ)が料亭でお見合いをした
シーンが撮影されたと解説されています。
実を言うと、ワタクシこのお屋敷に訪れるのはこれで2回目。
昨年の5月頃に一度訪れていまして(等ブログでその時の模様は
UPしておりません)、その際にも「坂の上の雲」の方の解説文は
目にしておりました。
しかし、実際ドラマでそのシーンを見た覚えが無い...。
そこでガイドの方に聞いてみたら、「そのシーンはカットされてしまった」
という悲しい回答が。確かに第8話で唐突に「真之の最初のお見合いは
目論見通りいかなかった」というナレーションが入り、「なんのこと?」と
いう気がしたのを覚えているのですが、それは本来入るはずだった
料亭でのお見合いがカットされた結果だということで納得がいきました。
お屋敷内での撮影シーンはカットされてしまいましたが、お庭で撮影
したシーンは公開されたとのこと。
「坂の上の雲」の第8話で季子が乗っていた自転車を真之が借りて
乗り回し、すっ転んだ挙句二人で大笑いという印象的なシーンが
あったのですが、その撮影が行われたのがここの庭園である
さくら庭園であるとのこと。
この画像の松と書いてあるあたりで自転車に乗ったのでしょう。
ちょうどこの構図で見えるあたりの庭内で自転車を乗り回したの
だと思います。私の父が秋山兄弟と同じ愛媛の出身であり、
「坂の上の雲」のドラマに凄く思い入れが強いので、ちょっとした
親父孝行が出来ました。
渡り廊下の先にある建物は書斎棟(非公開)。大人数が入ることを
想定していなかったため床面の強度が弱いらしく、一度に大人数
が入れないということで非公開であるらしいです。
廊下を振り返っての一枚。
廊下を振り返っての一枚その二。左側の硝子越しの風景が気持ち
ぼやけています。これは当時の製法ではこうなってしまったとのことで、
右側の硝子は後に新しいものと交換されたためそういう歪みが
ありません。しかし、新しいものは技術的には優れていますが古い
ものの方がアジがあるとのこと。特に夕焼け時の光が差し込む
光景は素晴らしいそうです。
西洋のステンドグラスでも技術的に進歩した現在のものより、
昔の不純物の多いもののほうが芸術的には素晴らしいのだとか。
技術の進歩=全ての進歩というわけではないということは
どこの世界でも一緒であるようです。
佐倉市は千葉県内でも北の方に位置しますので、震災被害も
少なからずあったようです。
しっかし、絵になる光景が多過ぎる!。写真を撮ってる時はウハウハ
ですが、画像の整理やブログ記事執筆では嬉しい悲鳴がこみ上げて
きます。
こういう水の入る石に紅葉が浮かぶ光景。いいですね~。
昨年や一昨年に京都で見たものと違って石がまだ新しいため
侘び寂びという点ではイマイチですが、これから年を経ることで
もっと魅力的になっていくでしょう。
このお屋敷のある佐倉市は東京からのアクセスもいいので、「JIN-仁-」
や「坂の上の雲」以外の映像作品のロケも行われたようです。
屋敷内の解説には「侍戦隊シンケンジャー」(2009年2月~2010年2月放映)
という戦隊もののロケの模様も解説されていました。何でも劇中では
主人公たちが本拠地とする志葉家の屋敷として野外・内の撮影に
使われたのだとか。このお屋敷の様子をご覧になりたければ、
この「シンケンジャー」を観てみるのもいいかもしれませんね。
侍戦隊シンケンジャーWiki
そんなこんなで魅力溢れる堀田邸の記事後編を終了します。
なんだかんだで、全後編共に記事の執筆に1時間半くらい、
合計で3時間くらいを要してしまった...。
このお屋敷の庭園であるさくら庭園の記事はまた今度にします。