武士の家計簿予告編
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一昨日に映画武士の家計簿を観て来ました。もともと歴史学者の先生が、講義のテキストと
して書いた新書が原作で、それがNHKの番組でとりあげられたことで私は原作を読んだのですが、
これが面白い。金沢藩に会計技能をもって仕えた猪山家という一家が借金が膨らんで破産
しそうになり、家財道具のほとんどを売り払って借金の6割ほどを返済。残りの4割を
返済し、その後もお金の管理はしっかりやろうと8代目の当主直之という人が己の職能を生かした
完璧な家計簿をつけた。それらの記録が歴史学者の作者の手に渡り、その内容を解読した
結果について記されたのが原作本で、読み物としてすこぶる面白かったのですが、
「どうやってあの内容を映画化するんだろう?」というその点が確かめたくて映画館に足を
運んだ次第です。
結果は...、非常に感心させられる出来で、派手な内容ではないけどすこぶる面白かったです。
家財道具を売り払う時に父(中村雅俊)が茶道具を、母(松坂慶子)が小袖を手放すのを
渋る場面などは思わず笑みがこぼれてしまいました。
あとは長男のお披露目式の料理で鯛を用意するお金が工面出来ず、絵に描いた鯛(ちょっと
場面は違いますが、原作でもでてくる話です)で済ませたり、そこかしこに笑えてしまう
場面が連続。
奥さん役の仲間由紀絵も良かった。出産のシーンで夫から贈られた砂糖を舐めるシーン
などは非常にリアルでした。当時としては砂糖は高級品。既に倹約生活をしていたのに
わざわざ砂糖を妻に与えたのですから、猪山直之という人は厳しいだけでなく人としての
情もちゃんと持っている人だったのでしょう。その砂糖が入っていた袋は丈夫な和紙で
出来ており、後に家計簿等の書類整理に再利用されているのが芸の細かいところです。
時代劇ということで構えてしまう人もいるでしょうが、これはホームドラマとしてあまり
内容を気にせず楽しめる内容です。封切られて一ヶ月ほど経ちましたが、正直あまり
長い期間は放映されてないと思うので興味を持たれた方はお早めにご覧になってください。
原作本もお勧めです。