訪問日時 2009年11月20日12:00頃
久しぶりに京都旅日記の続編です。
滝口寺を後にした私は、祇王寺のすぐ隣にある檀林寺に寄ってみることにしました。
正直祇王寺と滝口寺を訪問したことでこの日の嵯峨エリアでのミッションは完了しており、
時間が昼を回っていたため混雑が予想される嵐山はパスの方向で。
「後は広隆寺に弥勒菩薩を拝みに行けばいいや」程度にしか思っていませんでしたので、
もう少し気ままに嵯峨エリアの散策をしようと思ったわけです。
それで入ることにした檀林寺ですが、ここは嵯峨天皇の皇后である橘嘉智子が建立した
日本最古の禅寺らしいです。ただ本家の檀林寺は現在の天龍寺がある場所にあった
らしく、室町時代には廃寺になっていたのでしょう。天龍寺は檀林寺の跡地に建てられた
と伝わっています。
現在の檀林寺は1964年(昭和39年)に再建されたもの。そういえば祇王寺と滝口寺の
元となった往生院も明治初期の廃仏毀釈により廃寺になり、明治中期になって
別々の寺として再興されたといういきさつがあったそうな。
元々の檀林寺の建立者である橘嘉智子には以下のような逸話があるらしいです。
鳥や獣の飢を救うため、または、この世は無常であり、あらゆるものは移り変わり永遠なるものは
一つも無いという事を自ら示して人々の仏心を呼び起こすために、自分の死後に自らの死骸を
埋葬することを禁じて道ばたに放置させた。または、それが腐乱して蛆がわき、白骨化していく
過程を絵師に描かせたという伝説がある
正直信じがたい話ですが、彼女を礼賛する動きが同時代に生きた人たちにあったことは
間違いないでしょう。
中に入ってみると、ご覧の通りよく手入れされた庭園があります。
紅葉も訪問した11月20日にはちょうど見頃でした。
苔もいい感じです。
訪問時には再建された年次のことは知りませんでしたので、もっと古くからこの地に
あるとばかり思っていました。
宝物館には渡辺崋山や円山応挙の絵、歴史上の著名人の書(名手として知られる
嵯峨天皇のものもあった!)等などお宝の山が狭いスペースにギッシリと収納
されていました。今となると全て本物であるかは疑わしくも思えますが、
正直穴場スポットで基本的に空いてます。宝物の目利き修行として入山するのも
アリかもしれませんね。