15日(日)に上野の国立博物館で皇室の名宝展をみたものの、あまりの人の
多さに見るのを諦めた展示品も多く、消化不良気味だった私は、以前から
気になっていた上野の森美術館で開催中の聖地チベット展
http://www.seichi-tibet.jp/
へも足を運びました。結論からいって、人出がほどほどでおちついて鑑賞
できたこちらの方が個人的に楽しめました。
ただ今回は出展品が掲載されたカタログの購入はせず、更に出展品の
ポストカードも販売されていなかったので、今回紹介する出展品の画像は
チラシからスキャンしたものです。そのため画像サイズは小さいです。
またいつもやってるような解説も資料が手元にないので、ごく簡単にしか
記しませんのでご了承ください。
十一面千手観音菩薩立像
今回の美術展の目玉の一つ、十一面千手観音像です。今回出展
された仏像はどれもこれも金ピカで、日本の木彫りの仏像を見慣れた
目には眩しい限り。
あと日本の仏像では仏様とはいえ基本的にお顔は一つで、例外は
3つの顔のある阿修羅像くらいですが、今回出展されたチベットの仏様は
この像のように十一面のようなすごいお姿のものばかりでした。
更にその中でもこの像はご覧のように本当に数え切れないくらいの手が
ついています。まるで新型ガンダムの武装かなにかのようだ!
文化の違いというものの大きさを改めて感じました。
カーラチャクラ父母仏立像
ダーキニー立像
チベットの仏様は基本的に衣をまとった姿ではなく、生身の肉体で
表現されている模様。聖地チベットではこれらの仏様の多くが布の衣を
まとった姿で公開されているようで、生身のお姿を拝見できる今回の
美術展は非常に貴重な機会であるそうです。
カーラチャクラマンダラ・チャンカ
グヒヤサマージャ坐像タンカ
左:ダマルパ坐像 右:弥勒菩薩立像
ダマルパ坐像はチベット仏教の発展に尽くした高僧達の像の一つとして
公開されていました。日本では高僧を描いた絵はありますが、こうして像と
して表現された例は恐らくないでしょう。
弥勒菩薩立像のお体はなんともなまめかしい曲線を描いています。
私は近日実施予定の京都の旅で広隆寺の弥勒菩薩像を拝見するのを
楽しみにしていますが、あの像とこの像では同じ弥勒菩薩とは思えない
くらい違っていますね。
白傘蓋仏母立像
白傘蓋仏母立像の背中にあるのは無数の手です。チベットの仏像では
この像のように武器を手にしているところから、帝釈天のような武を司る
仏様なのでしょう。いかにも強そうです。
チャム衣装(チティパティ)
チャム衣装
チベットも元から仏教国家であったわけではなく、土着の宗教もありました。
今ではもう廃れてしまっていますが、この民間舞踊用の衣装などに
土着宗教の匂いがかすかに残っています。しかしこの骸骨を見て
思い出したのはメキシコの死者の祭り(だったっけか?)。
場所は離れていても人間の考えることなんてやはり共通点があるもの
なんですかね。
青花高足碗
元代以降、中国の歴代皇帝はチベット仏教の大きな庇護者であり、
かなり大がかりな交流があったようです。更に中国で作られた文物
(仏像も含む)が多量にチベットに寄進され、それが今日に伝わっています。
この碗もそういったものの一つです。
不動明王
不動明王。表情は憤怒ですが、どことなくユーモラスなお姿です。
(チラシ用に加工された画像ですので、実物とは違います)
この美術展は京都旅行の事前学習として密教美術を知るという目的も
あって見たのですが、なんともまぁ派手派手なお姿の仏様ばかりでした。
京都の旅では今回見たチベットの仏様との対比で仏像を眺めてみると、
また面白くなるかもしれないと思っています。









