去る日曜日に、前々から行こうと思っていたシカン文明展を見に、
上野の国立科学博物館に行ってきました。
http://www.tbs.co.jp/sicanten/
古代文明は中国、エジプト、インド、インダス等々がいわゆる4大文明と
言われていますが、中南米にもマヤや地上絵で有名なナスカ等々高度な
文明が存在していたのは周知の事実。これらの中ではやはり歴史の本を
読み漁ったこともあって中国文明への関心が一番高い私ですが、
その次くるのが中南米の文明。スペイン語を勉強した過去から元々
中南米への関心が高いのに加え、この地域から出土した文物の
何ともいえない素朴さに魅かれ続けています。
黄金のコップ 黒色土器
上記写真のコップや土器などに現れているように、技術は高度なんだろうけど
なんだかデザインが素朴。その素朴な温かさを感じるようなデザインの文物を
見ると、何ともいえない安らかな気持ちになれる気がします。
金キラな点や権力者の墓としてピラミッドを建設したり、死体をミイラにして
安置したりとエジプト文明との共通点もありますが、どうも洗練された感のある
エジプト文明よりも素朴な中南米系文明のほうが私の好みだと改めて実感。
儀式用のナイフ。細工の細かさとデザインの素朴さのミスマッチがたまらん!
中南米の古代文明と一言で言いますが、シカン文明のあったペルーだけでも
時代と地域を異にしたモチェ、ナスカ、ワリ等々いろんな文明がありました。
そして最後の輝きとして15~16世紀頃にアンデス世界を統一した大帝国
がインカ。そのインカ以前の文明はプレ・インカ文明と呼ばれますが、
今回見にいったシカン文明は正にそのプレ・インカ文明の一つにあたります。
大体9世紀から14世紀にペルーの北海岸で栄えたのですが、1375年頃に
チムー王国に滅ぼされて滅びたとされています。
展示品の目玉のひとつである黄金の仮面
シカン文明の名前は以前から知ってはいたのですが、島田泉という
日本人考古学者がその文明解明に大きな貢献をし、シカンという名前も
その島田先生が名づけたものだとは今回初めて知りました。シカンと
いうのは「月の神殿」の意味らしいです。
それにしても日本とペルーって意外と交流が深いんですよね。
大学時代にペルーからの留学生もいて、個人的知り合いもいました。
彼らは今元気でやってるかな?なんてこともちょっと思ってみたり。
展示の見物が終わった後は、館内のレストランで食事をしました。
写真はそのときにいただいたミュゼランチ。ペルーの一般的なメニューを
再現したものらしく、牛肉のスパイシー炒めと鶏肉のセビーチェ風、
更にトウモロコシとポテトといった組み合わせでした。
このメニューで、トウモロコシとじゃがいもはアンデス地方が原産であったことを改めて再確認。今世界の食糧事情がこれだけ良くなったのはトウモロコシとじゃがいもの存在無しには考えられません。本当にアンデス地方は世界史に大きな影響をあたえたんだということを今更ながらに感じました。


