5月23日、とうとうこの日がやって来た。両親が私の住まう鎌倉に訪れる日が。
まず待ち合わせ場所の北鎌倉駅で両親の乗った車と接触し、すぐ近くの
円覚寺の駐車場に停車。ここ鎌倉、特に北鎌倉では駐車場の確保が一番の
問題なのだ。


しかし、ここで一番の問題を痛感。母がまともに歩けないのだ。元々あまり
丈夫ではなかったが、数年前に祖母を亡くして以来みるみると衰えていった
母。ここ数年はほとんど自宅に引き篭もりな生活をしており、私が年に1,2回
帰省した時でさえ外出しようとしない母。今回の鎌倉行きについて来るという
ことは多少は歩けるようになったのかと思っていたが、実際はヨチヨチ歩き
ぐらいのスピードでしか動けず、階段どころかちょっとした段差ですら
敬遠する有様。


とりあえず駐車場から一番近い東慶寺
http://www.tokeiji.com/pc/
へ行ってみましたが、その際の母の歩く様を見て頭を抱えた私。鎌倉という
町は土地及び道が狭く、車での移動に適していない上に、名所の神社仏閣は
石段とほぼセットになっているため、この母を連れていける場所がほとんど
ないということを痛感せざるを得ませんでした。
ある程度覚悟してたものの、ここまで重症だとは。途方に暮れた私は親父殿と
相談し、とりあえず東慶寺の門前にある喫茶店で母を休ませ、寺内には私と
親父殿だけで入る事に。


私     ここは別名縁切り寺と言って...
親父殿  なんだって?縁起の悪い...
私     ここが駐車場から一番近いし、後醍醐天皇の皇女や豊臣秀頼の娘が
      過ごした場所でもあって由緒正しいところなんだぜ!
親父殿 豊臣秀頼?秀頼に娘なんていたの?...


ってな感じのやりとりをして、多少は興味を示した親父殿。鎌倉特有のやぐら
(岩肌を掘って出来たスペースを墓地として利用する)や東京オリンピックで日本が
金メダルをとった時のバレーボール監督である大松博文の墓等を見て
それなりに満足いただけた模様。
寺内を散策しながら親父殿とこの後について相談し、車で動けるところメインで
動く方向でいくことを確認。18:00~のうなぎ屋の予約もあるので鎌倉からあまり
離れたくはないのだが仕方がない。



次に行ったのは鎌倉宮。
http://www.kamakuraguu.jp/
ここは明治になってから出来た神社なので歴史的には新しい部類であるが、
後醍醐天皇の皇子である大塔の宮(護良親王)終焉の地であり、その御霊を
慰めるために造られたという由来がある。
ここは境内の約半分くらいのスペースは無料で、大塔の宮が監禁されていた
とされる岩牢や山本五十六の書等が保管されている宝物庫等がある奥半分
くらいのスペースは有料(入場料¥300)となっている。
ここなら無料スペースくらいなら歩行が困難なら母でも見て回れるし、
なんたって専用の駐車場があるのが大きい。鎌倉で駐車場が併設されている
神社仏閣って円覚寺、建長寺、鶴が丘八幡宮、長谷寺、高徳院と
ここ鎌倉宮くらいじゃないだろうか。本当は駐車場の無い小さなお寺さん
の方が見所なのですが、この母を連れてじゃあどうしても行き先が限られる。
境内に入るとテントが二つ貼ってあり、一つは長野の物産展、もう1つは
花の展示販売をしていました。長野の物産展では豆や瓶詰めの食品の試食も
出来たので、母に色々勧めてみて2,3点食べてみる。はぁ、身内とは思えない
くらいに一緒にいて疲れる。この時ばかりは母の世話を毎日している親父殿
を尊敬する気が沸々と沸いてきました。結局母は豆を一袋購入、ついでに私も
そばを購入しました。嬉しい誤算!。


Vamosの徒然な日々-ツバメのヒナ

境内の売店の軒下にはツバメの巣も2,3あり、お腹を空かせたヒナが大合唱。
それを見てる母が嬉しそうだったので、ここに連れて来て良かったー!。



続いては段葛を経て極楽寺坂→稲村ガ崎といったあたりをグルッと回ってから
長谷寺へ。ここも駐車場がありますし、なんたって最近出来た鎌倉オルゴール堂
http://www.otaru-orgel.co.jp/kamakura.html
の存在がポイント。母には店内を見て回ってもらい、その間親父殿と私は長谷寺
を見て回るという作戦でいくことに。見物に行く前に先日も紹介した鎌倉ジェラート
http://www.heisei-shonan.co.jp/gelato.htm
にてジェラートを購入し、長谷寺の入り口前で待機している母の下へ届けるまでの
約3分間の間で...、見事に溶け出してきました。あの時間帯は真夏日に近い状態
だったとはいえ、たかだか200mもない距離だったのに...。大誤算。ジェラート
自体は美味しい美味しいと言って食べてましたが、「入れ歯じゃあ噛み切れない」
と言ってコーンは残すし...。だから最初にカップかコーンか?って確認したじゃない!

といったちょっとしたトラブルもありましたが、その後親父殿と一緒に長谷寺
http://www.hasedera.jp/index2.html
見物。立派な観音様や休憩所からの展望、秀吉から出された禁制(ここのお寺の
権利を保証するので、乱暴狼藉をしてはならないというお墨付き)等が展示
されている宝物庫等々に感心してましたが、一番の反応を見せたのが庭園の
池で飼われている鯉を見た時。ウチの親父殿は昔から小鳥や魚を飼うのが好き
で、今は飼ってませんがやはり長年の趣味から興味は尽きない模様。
やっぱり人間そうは簡単に変われません。


長谷寺を出て、私と親父殿は近くにある老舗の和菓子屋である力餅家
http://r.tabelog.com/kanagawa/A1404/A140402/14007758/
へ行き、力餅を一人2個として6個購入。お店に行く途中に通った
小道はいかにも鎌倉らしい空間で、本当はこういったところを母にも
味あわせてあげたいところでしたが...。



駐車場に戻り、父が「三崎港でマグロを買いたい」と言うので三浦方面に向けて
ドライブを開始。途中葉山で軽めの昼食をとろうということにし、美味しいコロッケ
で有名な旭屋牛肉店
http://www.hayama-asahiya.com/
で特製コロッケを、すぐ近くのスーパーで他の物を多少購入し、景勝地である
森戸神社付近で下車して食事にしようとしたのですが...、駐車場の料金が
1,000円(午後1時~5時まで利用できますが)というのを父が嫌がり、駐車場は別の
場所にすることに。ここって自転車でよく来るけど、駐車場料金のことは
気にしたことがなかった。確かに一日滞在するなら仕方の無い値段だが、
ちょっと休憩するだけでこの値段は高いという父の意見は確かにそのとおり
ではあるのですが...。
歩くのが困難な母を一旦ここで下ろし、自分の携帯を一応持たせ、私と親父殿
は駐車場探しをすることに。最初に目に入った駐車場は入ろうとした瞬間満車で
あった事に気付き、脱出するを図るも後続車がひっきりなしで中々出られない。
ようやく脱出して次にあった路地を入ったところにあった駐車場に駐車し、
母と合流するまでの所要時間は約20分。疲れました。この辺りって道が狭い上
に交通量が結構多く、車での移動時にミスるとホント建て直しに疲れます。

Vamosの徒然な日々-森戸海岸 Vamosの徒然な日々-裕次郎灯台

そんなこんなでやっと辿り着いたのが森戸神社の奥にある石原裕次郎の
顔が刻まれた裕次郎灯台の碑があるスポット。ここから見える灯台が
所謂裕次郎灯台。裕次郎大好きな母が喜んでくれ、コロッケも美味しい
とこの道中では一番ご機嫌の模様だったのが救いでした。

その後駐車場に行って代金を清算したら、料金は¥300でした。
¥1,000との差額は¥700。うーん、労力を考えたら素直に¥1,000出しといた
方がラクだったなぁ。
お金で買える労力は買ったほうがいいということを痛感しました。


その後三崎漁港で父がマグロを購入した後、今回のミッションの締めである
「つるや」でのうな重ディナーへ。
http://r.tabelog.com/kanagawa/A1404/A140402/14000731/
この「つるや」、テレビや雑誌の鎌倉特集でしょっちゅう紹介されており、
一度食べてみようと入店してみたものの予約してなかったことから断られた
経験があるといういわくつきのお店。ネットでの評価は高い人と低い人とで
まちまちで、好みが分かるようです。


Vamosの徒然な日々-うなぎ1 Vamosの徒然な日々-うなぎ2


実際鎌倉彫のお重に入ったうなぎは自分的には美味しいと感じ、関東風の
蒸してあって柔らかい点が親父殿にも好評(親父殿は愛媛出身)でしたが、

肝心の母は「なんだかピンとこない」と言ってました。トホホ。それでも8割方は食べてましたので
まあ良しとしましょう。



最後に予約してあった鎌倉駅西口から徒歩5分程度の場所にある「ホテルいずみ」
http://www.hotel-izumi.com/
に両親を送り届けてこの日のミッションは終了。しかし、フロントにて
和室に案内すると聞いた母が「ベッドがいい」と言い出す始末。普段布団
で寝てるから環境が変わらない方がいいかとワザワザ和室を頼んだのに!
私がそう母に言うと、「本当はベッドが好きなんだけど、寝室は畳だから
布団で寝ているだけ。知らなかったっけ?」なんて返事が...。
「アンタの息子34年やってて初めて聞いたよそんな事!」なんていうちょっとした
ハプニングはありましたが、無事部屋にチェックインし、私は自分のアパート
へ引き上げました。

そして今日の出勤のため駅に向かう途中、このホテルの前を通ったので両親の
停まっている部屋に一応顔を出すと、「久しぶりによく寝れた」との返事が。
やっぱり引き篭もりだと快眠というわけにはいかないんだろうな。
今日は箱根方面に向かうとのこと。天気は生憎の雨で、時間的にもう帰りだしている
だろうけど、どうだったのかな?。親父殿、運転気をつけてね。
こうして私の重要ミッションは無事(?)幕を閉じたのだった。