私は幼い頃から漫画とゲームで育ったようなものでして、
現在の趣味等にも元々はそういった方面からハマッたものが
多いのですが、なかでも歴史(主に戦国時代)への興味関心は
強く持ち続けているものの一つです。
今回紹介する漫画“へうげもの”は、まさに戦国時代
ものを楽しむための格好の素材であると思います。
己の欲望に忠実な古田織部 もだえる織部
肝心な作品の内容ですが、概要はWikiで素晴らしい解説がされてるので、
それを以下に抜粋します。
概要
戦国時代、織田信長、豊臣秀吉に仕えた古田織部を主人公として
描いた作品である。雑誌掲載時の欄外のあらすじでは
毎回『これは「出世」と「物」、二つの【欲】の間で日々葛藤と悶絶を
繰り返す戦国武将【古田織部】の物語である。』と紹介されている。
この時代を舞台にした作品は合戦などの「武」を描いたものが多いが、
本作は茶道や茶器、美術や建築など、戦国時代の「美(文化)」に
重きを置いた作品である(ただし、武将たちの戦いや天下をめぐる
権謀などもそれと並行して描かれている)。
単行本は講談社よりモーニングKCとして7巻まで刊行されている
(2008年8月現在)。
タイトルの「へうげる(剽げる)」とは「ふざけている」「おどけている」の意。
作中では「ひょうげる」とも使われている。後記の雑学も参照。
頁の端に「この物語はフィクションにて候」「実在の人物・団体名とは
無関係にて候」と記されている。この定型文に、掲載内容にちなんだ
一文(例:「天正大判はほぼ実物大にて候」[1])が付記されるのが
定番となっている。
書籍「このマンガがすごい!」(宝島社)2007年オトコ版3位、
2008年度オトコ編2位。
第32回講談社漫画賞一般部門ノミネート(受賞作はもやしもん)。
恐ろしく業の深い人物として描かれる利休 壮絶な散り際をみせた信長
ようするにこの作品の主役は古田織部なわけですが、
彼は武将としての自分の器量が決して秀でていないことを
自覚しつつも、出世欲と物欲という二つの欲に日々葛藤し続ける
人物として描かれています。
彼の周囲にも人の物欲を上手く操ることで天下人として君臨する秀吉、
“わび数寄”という自分の信じる至上の価値観を
世にひろべるべく暗躍する利休、
禁欲主義で周囲の物欲にまみれる人々とは一線を画す
家康等々歴史上の人物たちが非常に上手く描き分けられている
ことに感心することしきりです。
質実剛健が服を着て歩いているような家康 具志堅にしかみえない清正
他にも顔が具志堅にしかみえない清正とか、子孫である
細川元総理の顔をしている細川幽斎等作者の遊び心が
あちこちに見受けられるのもこの作品の特徴。
ドラマ等でこの時代を扱うとどうしても主人公を理想に準じた
清廉な人物として描きがちになりますが、
この作品では登場人物が基本的に皆己の欲望に忠実で、
それが故に生き生きとしているような気がします。
とりあえず今回はこの辺で紹介記事を終わりにしておきますが、
今後折を見て名場面集やその感想などを書いていきたいと思っています。