ひたすら真っ直ぐ走れよ!・・・
15年ほど前の9月の今頃。
その日私は府中にある運転免許試験場で講習を受けていました。
運転の違反が重なり30日間の免許停止に。
その期間を短縮してもらうべく講習を受けることになったのです。
講習を受ければ免停期間30日がたった1日ですんでしまうんです。
まぁ、お金で罪を買うとでも言いますか・・・・。
授業、講義、講習の類は大嫌いですが、表面上は真面目に聞くふりをする性格の私。
午前が終わり、昼休憩の後の午後の講習中のことでした。
死ぬほどの眠気と戦い、あくびをかみころして何気なく窓の外に目をやると、そこは広大な運転コースが広がっており、今まさに実技試験真っ最中の車が数台走っております。
そして、その外周の脇にある空いたスペースで原付バイクの実技講習をやっていました。 おそらく、筆記試験に合格した人に対しての簡単な講習だと思います。
7~8人が横1列になり、それぞれスクーターにまたがり、講師の白バイ警官の話を聞いています。 その後講師は生徒達から30メートルほど離れた場所まで小走りで移動。
生徒達のほうへ振り返り、なにやら大声で説明。 おそらく、右手をあげたら講師のいるラインまで一斉に前へブオ~ンと進みなさい、みたいな事を言っている様子。
そしてその右手がサッと上がった瞬間。
各車一斉にスタート! 皆初心者のため恐る恐る進んでいます。
皆さん初心者。 もしかしたらこれが初めてスクーターに乗る人かも。
半分ほど進んだところでちょっとしたパニック状態になりました。
よちよち歩きの子鴨たちは素直に親鴨をめざしていきます。
そうです。 なんと皆が全員講師のほうを目指して進んでいるのです。
真っ直ぐ進めばいいものを、両サイドにいる人たちも三角形の頂点の講師目指してまっしぐら。真ん中コースを素直に真っ直ぐ走っている素人スクーターに、左右両側からど素人スクーターがグイーンと幅寄せしています。
わざと幅寄せしているのではなく、そうなってしまったという状態。 しかもどうしていいかわからない。
講師の所まで来たときにはもう団子状態。 誰もブレーキなど知らないらしく、接触する、激突する、あげくに講師をひき殺そうとするヤツ。大パニック。
眠気がふっとんでしまうほど、心の中で大笑いしてしまいました。
中学生の頃、マラソンの先導をする白バイの警官にあこがれ、一時それになりたいと思っていました。
今でもたまに、道路を急にUターンしたかと思うや、「ウォーン」とサイレンを鳴らし、赤色灯を回転させながら走って行く白バイを見ると素直に、
「かっこいいな~、バイクの運転うまいな~」と思います。
少し近寄りがたい警察官ですが、その時以来ほんの少しだけ距離が縮まった気がします。
あの講師役の白バイ警官は今どうしているのでしょう。
もしかしたら、あの講師も実は講習するのが初めてだったのではないでしょうか・・・・。
多分次の講習からは 「ひたすら真っ直ぐ走れよ!」と言っているのではないでしょうか。
Hiro