先日、日本人学校で開かれた教育講演会についての話。

覚書の側面もあり、文字ばかりの長い文章となりますが、興味のある方はご一読ください。




話者として来てくださった宇宙航空研究開発機構(JAXA)の准教授、西山和孝氏は、長年イオンエンジンの研究に従事し、

2003年に小惑星イトカワに向けて打ち上げられたはやぶさのスーパーバイザーも務めた方。


打ち上げ後のはやぶさとの通信時間は担当した26名中トップの1700時間。

JAXAの中で最も我慢強く7年もの間はやぶさと通信した人物だと自己紹介していた。


はやぶさの特徴として挙げられるイオンエンジンは、キセノンガスでプラズマを作り電気的に加速して高速噴射することで推進力を得る造り。

化学ロケットほどの推進力はないものの、燃料を節約できる点に多大なメリットがあるようだ。


搭載されたイオンエンジンは4基あり、打ち上げ後すぐに1基が故障したほか、イオンが発生しなくなったり中和器が機能しなくなったりとトラブル続きだったらしい。


太陽から離れた位置では電力不足もあり、運転出力を絞ったり台数を減らしたり、通信をオフにするなどして電力を保持したとか。


また、イトカワ到着の際には通信用アンテナを常に地球に向けておくために必要な姿勢制御用の燃料が大量に漏れ、機体の安定を欠き6分に1回の高速回転状態に。

そのためはやぶさとの通信が不能になり、7週間もの間、はやぶさの探知と「目を覚ませ」の命令を送り続けたという。


その後、回転するはやぶさに太陽光が当たり、測定器の雑音に混じってはやぶさの電波がキャッチされ通信が復活。

西山氏の目の前で起きた出来事だったようで、日頃の行いがよかったと笑いを交え振り返っていた。


通信復活後は、姿勢制御用の燃料をキセノンガスで代用したり、イオンエンジンは故障のない箇所を組み合わせて推進力を得るなどして地球帰還を試み、

2010年、イオンエンジンの長期連続稼働等の実績を残してはやぶさ自身は大気中で燃え尽きた。


西山氏ははやぶさ2のプロジェクトでも中心的なメンバーとして参画しており、はやぶさ搭載のイオンエンジンの不具合箇所を改良し、推進力を大幅にアップしたという。

2014年のはやぶさ2打ち上げ以来、イオンエンジンは順調に運転され、地球スイングバイにも成功したのは記憶に新しい。


小惑星リュウグウへの到着は2018年夏の予定。

今から楽しみでならない。


{7E7BA9F7-4790-4C75-BE6B-335488651AAF}