ダウントン・アビー のグランドフィナーレ予告を見て、
ふと立ち止まってしまった。

離婚したメアリーが、
舞踏会のような社交の場から追い出される場面。
1930年という時代を考えれば、史実としては自然なのだろうけれど、
それでも胸に引っかかるものがあった。

「秩序」という名のもとで、
女性が声を持つことや、自分の意思で生きることが、
簡単に“場違い”として排除されてしまう世界。

でも考えてみると、
これは決して遠い昔の話だけじゃない。
1980年代でさえ、
女性が男性に物申すことは、まだとても難しかった。

時代は少しずつ緩み、
2000年を過ぎて、ようやく空気が変わり始めた。
それでも、古い価値観は簡単には消えない。
ダウントン・アビーが描いているのは、
「貴族の終わり」ではなく、
一つの時代が役目を終えていく瞬間なのだと思う。

そして今、私たちはまた、
似たような移行期に立っている。

誰かが上に立つ時代から、
誰かを押さえつける秩序から、
少しずつ、別の在り方へ。

「女性の時代」という言葉が聞こえてくるけれど、
それは女性が強くなるという話ではなく、
これまで抑え込まれてきた感覚や在り方が、
ようやく表に出てくる、ということなのかもしれない。

ダウントン・アビーの世界に「さよなら」を告げることは、
これからの時代に進むための、
静かな準備なのだと思いました。