船のシリンダーヘッドでよくあるのがこういった硫酸腐食によるシート部分の故障です。重油を炊くエンジンの場合、重油内にある硫黄分が燃焼により硫酸になり腐食の原因となります。

またこの硫酸がオイルに触れるとオイルの劣化が進みますのでオイルもそれように選択しないといけません。



腐食は水分と反応すると著しく進みますのでこのように排気ポート側からの腐食とヘッド表面にある凸凹状の腐食などが見られます。

重油を炊くとこのように腐食といったトラブルがありますのでよく考えないといけません。また最近トラックに灯油を直接給油したりするというニュースがありますが、灯油は潤滑性がほとんど無いので噴射ポンプが壊れるといったトラブルの原因にもなります。また添加剤を入れて使用しても排気弁の当たり面の磨耗が進むなどトラブル原因にもなってます。


シートの悪くなった部分をザグリ加工します。このヘッドはシートリングが入っていないのでこういった手順を踏みます。
 そして汎用素材からシートリングを切り出していきます。


シートリングを打ち込んでシートカットをします。吸気側はそれほど悪くないのでシートカットだけにして修理コストを下げます。


ここで注意するのはバルブの沈み量が規定値に入る事を必ず確認することです。

バルブが新品になったり、シートリングを入れ替えた時はかならず見ないといけません。バルブとピストンのトップクリアランスは2ミリも無い時がありますし、オーバーラップやタイミングの遅れで突いてはシャレになりません。
摺り合せまで完了した画像です。最後に燃焼室の手前側がガスケット抜けを起こしているので吸気側をシートカットだけで済ませて浮いた工賃で面研して完成となります。

このような小さなヘッドでもきちんとすることが重要だということはなかなか分かっていただけないケースもありますが、今回はtani的にすっきりする作業内容となりました。