山彦 | 御行奉為

山彦

先程帰宅した時、愛車から降りると、何処からか“ヤッホー♪”との声が聞こえた。


振り返ると、お向かいの2階から子供が手を振っていた。人懐こい子供らしく、近所付き合いとかはないが、会うと挨拶をしてくる。親の躾が良いのだろう。


いつもはこちらも返事をするのだが、こんな夜更けに“ヤッホー♪”と返すのは如何なものか?


田舎故、この時間となると周囲は静寂に包まれている。聞こえるのは虫の声のみだ。そんな時間に中年男が“ヤッホー♪”とは。


だがその娘は手を振りながら“ヤッホー♪”を連呼。こちらの返答を待ち続けている様だ。待たせるのも悪い気がするので、やはり応える事にした。


「ヤ、ヤッホー♪」勇気を出して云ってみた。なんか恥ずかしくね?良い人ぶってるみたいで。


その後しばらくヤッホーに付き合わされたが、思うに子供って山彦が好きなのだろうか?それとも人をヤッホーと呼ぶのが好きなのか?


大人になると、ヤッホーって言葉を使わなくなるよね。