怖い医師 | 御行奉為

怖い医師

健康診断の時に、血液を3本試験管状の容器に抜いたんだが、私の前に後輩と部長が並んでいた。


看護士が一人で抜いていたので、少々混み始めていた。二カ所スペースはあるのだが、人手が足りないらしい。


程なくベテラン看護士がヘルプにやって来たので、皆一安心と云う雰囲気になった。が、若い医師が私やりますといいながらやって来た。


うう、嫌な予感がする。経験から云って、若い医師で血抜きが上手かった試しがない。だが彼の事をよく知りもせず、端から否定しちゃ駄目だよな。先ずはおてなみ拝見だ。


幸い彼の一発目の餌食は後輩だ。もし下手くそでも痛くも痒くもない、問題は次の餌食が私なので、下手くそだったらトイレにエスケープしよう。


部長も私もじっと件の医師の手際を見ていたが、案の定それは拙いものであった。後輩の手を針でぐりぐりやるが、一向に血が出て来ない。医師は何故か彼に謝り、また5分後に来て下さいと言い、立ち去らせた。


何事だ?と、部長と目を見合わせると、彼は何も無かったかの如く次の方どうぞと宣った。一瞬身じろぎする部長。だが流石は50手前は違うね、諦めて招かれるままに着座した。


私はと云えば、隣のスペースでベテラン看護士にすんなりと抜いて貰い、ほくほくであった。


部長もなんとか無事に抜いて貰った様だが、しばらくぶつぶつ云っていた。


件の後輩君だが、その後六ヶ所無駄に刺されて抜けず、結局他の看護士に抜いて貰ったそうだ。かなり怒っていたw