ファイア・コックローチ | 御行奉為

ファイア・コックローチ

我社には、U本君と云う青年が居る。見た目は不良的だが、気の良い男で、真面目に働いている。


ゴツイ見た目とは裏腹に、非常に臆病であり、時折からかわれたりしている。その度に強がって言い訳するのだが、ビビっているのがまる分かりだ。


今夜も彼が虫にビビっていた話題になり、ひいてはゴキブリが自分に飛んで来ると、意外と誰でも驚くと云う話になった。


鱶瀬君と云う後輩が、それについては忘れられない経験があると話し始めた。


彼が新入社員の教育実習で、実習場の寮に入った時の話だったが、今まで聞いた事の無い衝撃的な話であった。


1日が終わり、21時頃から寮内の掃除をするのだが、その時1匹のゴキブリが発見された。それを退治しようと、同期連中で追い回したのだが、同期の一人がジッポオイルを撒いて点火したところ、見事にゴキブリは燃え上がったそうだ。


が、持ち前の強靭な生命力により、ゴキブリは死なず、鱶瀬君に向かい飛び上がったそうだ。そのまま彼に体当たりをかまし、鱶瀬君はパニック状態になり、その後の処置は覚えていないそうだ。


横で聞いていた彼の同期が爆笑して懐かしんでいたので、おそらく事実だろうが、私の妄想力をフルに駆使しても、燃えながら飛んで来るゴキブリをイメージ出来ない。


そんな経験を味わった彼のパニック振りは想像するに余りあるなw