自然の力 | 御行奉為

自然の力

月始めに叔母の葬式に参列した帰りがけの話だ。

私は常々ひとりでの移動ばかりなので、車のトランクを開ける機会が少ない。

この度は香典返しその他を載せるため、久しぶりにトランクを開けた。

すると内部には、入れた覚えのないオブジェがあった。トランクルーム右前方に、3~4センチ程の緑色の角状のモノが、茶色がかったクリーム色の球体から3本生えている。

角の下側三分の一は白色で、角自体にプラスチックの様な艶がある。

何かの玩具にしてはデザインに面白みが無い。だいいち玩具なんてトランクに入れないし。

キノコか粘菌でも繁殖してたのか?ずっと開けてなかったし。恐る恐る手に取ると、なんとそれはジャガ芋から芽が出たものだった。

三ヶ月前に、今回亡くなった叔母から貰ったジャガ芋を運搬した時に、こぼれ落ちてそのままになっていたのだろう。

三ヶ月も水も土も、太陽光すらも与えられず、それでも芽を出し成長しようとしていたジャガ芋。なんと云う生命力であろうか。

喰ってやれなくて済まなかったな。と、斎場の植え込みの片隅に、そっと埋めてやったことは云うまでもない。