「みんなのミュシャ ~ミュシャからマンガへ~線の魔術」展(Bunkamura)に行きました!
絵画通ではないのですが、ミュシャの絵を前にすると、その優美な世界にいつも夢見心地にさせられます。
「スラヴ叙事詩」も圧巻ですが、やはりグラフィックアートあってこそのミュシャだと思います。
主催側の解説によれば、ミュシャは
「より多くの人々が幸福になれば、社会全体も精神的に豊かになる」と考えたそうです。
そして、「生涯こだわり続けたのは、特権階級のための芸術至上主義的表現ではなく、常に民衆とともに在ることであった」という。
ミュシャが多くの人々に長く親しまれているのは、そんな考えが絵に生きているからでしょうね。
全体的に柔らかい色彩や曲線、花や装飾と一体になった女性。
その構図について「Q」の字が形成されているという解説がありました。
なるほどですが、私には描かれた女性が大輪の花のようにも見えます。
私が特に好きな作品は「モナコ―モンテカルロ(P.L.M鉄道)」と「ヒヤシンス姫」。
モナコ―モンテカルロ(P.L.M鉄道)1897年
フランスの鉄道会社による、「パリからモナコのモンテカルロまで16時間、豪華列車の旅」宣伝のためのポスター。
鉄道や観光地の街並みを描くのではなく、旅への期待感や旅心そのものを、少女の夢見るような表情で表現しているとのこと。
手前の2つの大きな花輪は、シクラメンとダイアンサス。これが列車の車輪を表しているそうです。
そして、スパイラル状に伸びるツルがモナコへ向かう線路の象徴だとか。
ミュシャならではの表現ですね。
でも、無垢な天使のような女の子、汽車などなくても翼を広げて自由にどこへでも行けそうに見えます。
ヒヤシンス姫 1911年
ミュシャがチェコへ帰郷した翌年の作品で、モデルはチェコで最も有名といわれた女優アンドゥラ・セドラコヴァ。
セドラコヴァが主演のオペラ・パントマイム『ヒヤシンス姫』の宣伝用ポスター作品とのこと。
ティアラと一緒に髪に飾り付けられている赤い花がヒヤシンス。
衣装には、ミュシャの愛国心からスラヴ風の様式が反映されているとのこと。
実際の舞台衣装は別にあったということでしょうか。素朴な質感とナチュラルな色合いが渋いです。
姫、たまらなくキュートですが、頬杖をついてまっすぐにこちらを見る視線と向き合うと、何気に鋭さを感じます。
オトコはどぎまぎしそう。
ぐぐったら、アンドゥラ・セドラコヴァ の写真が見つかりましたが、やはり可愛くてきれいです。
http://www.mucha.jp/muchafacevysehrad.html
今回は、ミュシャと日本との関係や、没後も及ぼした影響力という観点が盛り込まれた展示でしたが、漫画が入っていたことが面白かったです。
昔よく読んだ24年組の少女マンガ(萩尾望都、竹宮恵子、大島弓子、他 ※敬称略)の筆づかいや線は確かにミュシャと共通するものを感じます。
真似という意味ではありません。24年組の方々は巨匠で、独自性を築かれていますから。
ただ、背景に花をあしらったり、ボリューム感やウェーブをつけたヘアスタイル、全体的な描線・・・ミュシャが起源かもしれないと思いました。
山岸涼子のイラストが展示されてありましたが、個人的にはミュシャと山岸涼子は結び付かなかったです。
偉大な漫画家ですが、心理描写が鋭くて時々ぞくっとするような怖さがあるからでしょうか。
今回、展示されていなかったのですが、むしろ大島弓子の漫画の方がミュシャと重なりました。
大島さんの示唆に富んだストーリーと、あのふわっとしたメルヘンチックな絵が創り出す詩的な世界、すごいですよね。ミュシャ同様に魅了され、忘れられません。
大島弓子 漫画
最近は猫や犬と暮らしていらっしゃるそうですが、新作も出されているのならぜひ読みたいと思います。
↓ 30年くらい前に買った漫画です(他にも多数)が、いまだに手放せません。
↓ 懐かしい!綿の国星
どんな結末になるのか楽しみでしたが、中断してそのままになりましたね。
ヒヤシンス姫の背景にも星が散りばめられていますね![]()





