「ミツバチの羽音と地球の回転」という原発反対運動やエネルギー政策についての映画を見ました。

この映画自体は福島の原発事故以前に作られたもので、原発推進をしている国と中国電力(正確には中国電力は付き合わされているのかもしれませんが・・・)と、それに対して、原発反対運動をしている山口県上関町(かものせきちょう)祝島の人たちの様子をメインに、スウェーデンの電力供給やエネルギー供給の様子を紹介している映画です。

今となってはあの福島の原発事故があった後なので、状況はだいぶ変わっていると思いますが、そのへんのフォローはなかったですね。

原発推進派の強硬な姿勢と、原発反対派の無力感が伝わってくるものがあり、原発反対運動っていうのはこういうものなんだ、とよくわかりました。

それにしても、なぜそれほどまで原発建設を推進するのか、その真意がよくわかりません。

青森県六ケ所村の再処理工場はいまだ完成せず、使用済み核燃料はたまり続ける一方で、その処分に困っているはずです。その状況は福島の事故ではっきりと示されましたね。原子炉のすぐ横にある使用済み核燃料プールには、大量の使用済み核燃料がストックされ、原子炉建屋の爆発でけっこう飛散したものとおもわれます。

冷却系が止まってしまえば、水が沸騰して無くなってしまうわけで、再臨界はしないだろうけど、発熱量は半端じゃないわけです。


そんなやっかいな代物をこれ以上増やしてまでも、さらに原子力発電所を増やそうということなので、これはどういうことなんだろう?って素直に疑問に思いました。

エネルギーの安定供給を図りたいっていうことだと思うけど、どうもそれ以上の理由がありそうな気がしちゃいました。それか、もうここまで進めてきた政策を、途中でやめる訳にはいかないっていうことになっちゃっているのかもしれませんが・・・ それだと痛いですね。勇気を持って政策変更をしていただきたいところですが、役所の中がそういう雰囲気になってしまっているんだとしたら、それに水を差すことができる人ってそうはいないだろうなあと思ってしまうわけです。


なんにしろ、福島の原発事故で、これまでの安全基準というものの信頼性が崩れていると僕は考えているので、これ以上の原発増設は止めて欲しいものです。

また、実現の見込みがない高速増殖炉もさっさと諦めてほしいものです。

作ってしまった原発は、電力の安定供給上、設計寿命までは稼働させて、それ以上は延長せずに廃炉にしてほしいものです。

そして、化石燃料以外のエネルギー源の開発がほんとに大事だなあと思います。