HERO | Q05 quest

HERO

「テキストの一番後ろについてる解答集みたいだね。」と、

いつだったか、私は恋人に言った。



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時折、私の思考はぐるぐるまわる。

答えをつかみそうでつかめなくて、

自分の動線に足が絡まる。


思考の断片をつなぎ合わせるみたいに、手探りに話す。

彼は、少し眠そうな(真剣になるとそう見える)顔で、

私が答えを求めるまで、黙っていて。


私が疑問符を投げかけてから、たっぷり3秒。

たぶん、いつも3秒だと思う。

彼の、こたえのリズム。

この間、私は無条件に彼を信じて言葉を待つのだけど。



ほとんど、私の言葉を繰り返しているだけなのに、

私は、頭蓋骨の重力を取り戻す。

ひどく、子供じみた気持ち。

虫食い算を解く、小学生みたいに。



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奇跡だと、思う。

私の疑問符をきちんと汲み取ることとか。

ひねた私の耳に、まっすぐに届くこたえとか。




それは絶望的な幸せで。







泣きたくなる。