以前、ナポリに用事で行かなければならなかったが、ナポリ行きの船がストで出ない、という事があったむかっ
まあよくある事なので、仕方なくポッツォーリという近くの町まで行き、そこからクマーナ線というローカル電車に乗って向かうことにした電車
今思えば、ある意味ラッキーだったのかも知れない。何故なら僕はその車中で珍しい体験をしたからである。

イタリアのバスや鉄道というのは面白人間の宝庫であるが、その時の彼は群を抜いていた。

駅はポッツォーリの港から少し歩いたところにあった。
ひなびた駅に似つかわしい、落書きだらけの古い車両が到着する。
乗客もまばらで、のどかだが何てことない景色の中を電車は通って行く。
幾つめかの駅で彼、いや彼女と言ったほうが良いのかもしれない、は乗車してきた。

すッピンだったのだが、明らかに周りとは違う空気をまとっていたし、動作にもどこが芝居じみたところがあったのですぐに目をひいた。かお
そしてすぐに彼女のショーが開幕したクラッカー
$イスキア島から吹く風
席に着くや否や、大きめのかばんから次々と化粧道具を取り出す彼女。
つやを抑えた金髪セミロングのかつらまで飛び出した。
まあ日本でも電車内で化粧をする女性はいるので良しとしよう、ナポリだし。

それにしても何と化粧映えのしない顔、、、、。完全にお笑い系だ。
他の乗客達は目で合図し合い、車両内に妙な連帯感が生まれた。
そして彼女はみんなの視線を一心に集めていることを知っている。
そう、これは彼女のショーなのだカチンコ

クライマックスは電車がトンネル内に入った時にやってきた地下鉄
それまで彼女は丹念にマニキュアを塗っているところだったのだがネイルそれが終わるとおもむろに立ち上がり、トンネル内だというのに思い切って窓を全開にするではないか目

そして足を大きく開き背筋を伸ばすと、両腕を広げて窓の外へ突き出した!!顔は毅然と上を向いているアップ
余りの出来事に混乱した僕は一瞬“と、飛ぶ!?”
と思い、その行為がマニキュアを乾かすためだという事を理解するのに、少し時間を要したチューリップ赤

乗客は皆あぜんとし、トンネル内の悪い空気が入ってくるのに文句を言う人など誰もいなかった。その後の事は何だかボーっとしてしまい、よく覚えていない。
いずれにしても貴重な経験であったと言えるのではないだろうかはてなマーク
この手の話には”ナポリ、べサメムーチョ電車”というものもあるが、またの機会にしたいと思う。

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