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マニラより
2023年の仕事納めにフィリピンに
軽めに50人整体にやってきた。
どこの国にいても患者さんは
やって来るものだ。
今回は元Jリーガーによって
紹介されてきたんだけど患者さんは
もうやばいレベルだった。
聞けば2023年3月にサッカー選手だった
彼は試合の後、バイクの交通事故で
膝から下の両骨骨折でしかも解放性骨折
（骨が皮膚の外に飛び出している骨折）
だった。
サッカー選手で一日中動き回るのが
趣味だった彼は一転して入院し
骨に金属を通す手術をして回復を待ったが
骨はついたのに一向に痛みが消えず
呼吸が浅くなり顔面だけじゃなく
全身が血管が浮いて見えるほど
白くなっていったそうだ。
息苦しさを感じ常に喉に異物感が
ある感じがする。全身が冷たい。
全身が怠い。考えるのもだるい。
食欲が湧かない。
今1番の希望は日常生活を
しっかりと送りたいとのことだった。
病院の医師はもうサッカーに
復帰してもいいよというけど
本人は全然できる気がしない。って
どうすんのよこれレベルの症状に
戦々恐々としてしまうのが
普通かもしれないのだが、
俺にとってはワクワクしかない。
どこまで回復させられるのか
ちょっとやっつけてくるーー。
そして。
今、整体から帰ってきた。
医師は医師の仕事をきっちり
していたのが分かった。
ただ医師は医師がやるべき範囲を
きっちりしていたというニュアンスだった。
骨はくっ付いたし破けた皮膚も繋がっている。
血液検査にて感染もないことを確認している。
もうサッカーをしても構わない。
これ以上は医師の仕事ではない。
という感じだった。
西洋医学は専門に分けすぎているため
外科が行う範囲はもう終わったという
判断なんだろう。
でも一向に患者さんはサッカーどころか
日常生活もままならない状況だった。
四肢は冷え呼吸は浅くなっており
身体中の皮膚は白くなり
血管が浮いてみていている。
整体を行なっていくにあたって
検査していくんだけども
いくつも気になる部位があった。
腰痛などはないが動きによって
お腹に力が入らないという点だ。
お腹に力が入らないというのは
いろんな問題がはらんでいると言える。
例えばそれが胸郭が動かなくなって
いるのかもしれないし、
反り腰が強い場合もありえるし、
サッカー選手だったとはいえ
9ヶ月間運動をできない体になっていた
とすると、そもそもが筋力不足かもしれない。
ただ今回の場合は骨盤の動きと
頚椎の問題を調整すると彼の腹筋には
「力が少し戻った気がします」
と言っていた。
これはKYTレベル12で解決できる問題だった。
また彼はすっかり部屋に籠る生
活をしていると言った。
怪我をしてからすっかり外に出なくなった。
部屋に篭り回復を待っていると言った。
俺はこれだと思った。
俺はもう7年ほど前になるけど
アメリカを横断の縦断してセミナーを
しまくっていた事があったんだ。
ロサンゼルスから始まり、
シカゴやミルウォキーの大学で講演して
アリゾナ行ってベガスでファイターの
整体してもうエネルギーが切れてしまって
最後ニューヨークセミナーで完全に
気持ちが終わって締まったのを思い出す。
その後、ジャーマネがメキシコの
カンクンに連れ出してくれて
太陽を散々プールで浴びていたら
燃え尽き症候群というか
空っぽのエネルギーが1日で
満たされたのと彼を重ねていた。
またオランダやドイツは冬になると
うつ病が増えるという事実も
目の当たりにしてきた経験も重なる。
元気は太陽に当たらないことから
始まるのだってあると思うんだな。
エネルギー不足は日光浴から
始まるかもしれないことを
俺は経験から知っている。
人間の基本生活動作の中に
日光浴はとても重要だと思うんだ。
特にエネルギー不足の人には
オススメしたいね。
聞けば、彼は入院中からして
陽が当たらない部屋だったそうだし
外に出る気もしませんと言っていた。
立派なスポーツジム併設の
コンドミニアムに住んでいるというのに
部屋でゴロゴロしてて食欲がありません。
って当たり前だと思ったんだ。
整体して彼の動きは回復した。
できない動きができる様になり
足りない可動域を理解し緊張している
筋肉をリリースする方法を学び
彼は気力が戻れば元に戻るに違いない
と分かった。
彼を支えてくれている人々がいるのに
アンタがこのままダメ男だったら
その人たちが可哀想だろ？
ゲキを飛ばす必要もあった。
夜10時には寝ろ
朝は早く起きて朝日を浴びろ
1時間プールで浮いておけ
その後ジムで1時間早歩きをするんだ。
後はその間に教えたエクササイズを行い
プロテインを摂取してみたらどうか？
と伝えた。
彼はもう大丈夫だ。きっと大丈夫だ。
自分に勝つことができるならば
サッカー選手にだって復帰できるに違いない。
昨日の自分に少しでも1ミリでも
勝っていけばきっと元に戻れる。
俺はそう信じている。
それは筋力であり持久力であり
そして胃袋の消化量であり
睡眠であり、笑顔の耐久力であり、
きっとそれらが彼を元の元気な選手に
押し上げてくれることを希望してやまない。
