ハワイ大学医学部解剖学実習室より
「筋膜リリースってあれ、これじゃあ
ちょっと無理がありませんか?」
筋膜の実物を見た受講生さんたちは困惑して
俺や担当教官を見上げ、沢山の疑問をぶつけてきた。
「いや、むしろこんな仕組みになってるのなら
筋膜リリースしてはいけないかもしれませんね!」
という受講生もいた。
そう実際の動かせる解剖学実習室は
世界でもここくらいしか俺は知らない。
KenYamamoto主催の人体解剖学実習室のみ
許されている『フレッシュ生献体』による
3日間のホンモノの解剖学実習は早速
初日の今日から皆に成果をもたらした。
皆の今まで学んで来た、もしくは知っていた
解剖学は早速それぞれの歴史の自信を砕いて行った。
何がホンモノと表現したのかと言えば
フレッシュ生献体で解剖学を学べるのは
ほとんど類がないらしい。
ホルマリン処理されたご献体が
ホンモノの解剖学実習か?
俺は今さら教科書だけの、
そしてホルマリン処理された
だけの解剖学に戻れない。
これは俺だけの意見ではない
参加した全ての先生方がそう言った。
解剖学を学ぶにはいくつか方法がある。
学校で学ぶ、参考書で学ぶ、
ホルマリン処理された御献体で学ぶ。
どれも学んだことになるんだけど、
今から15年前迄に俺は既に
5回全身を学び終わっていた。
体育学部で学び、専門学校で学び、
柔整師の学校で学び、看護学校で学び、
更に自分で学んできていたし、充分に
解剖学を学んできた自負が俺にはあったし、
既に俺はセミナー講師として登壇する
ようになっていたんだ。15年前の話
ところが、
とあるキッカケで今から8年ほど前、
ハワイ大学医学部で学び出した。
ホルマリン処理されたご献体での
人体解剖学実習室だったのだけど
2Dで見ていた世界から3Dの
ご献体で学ぶ解剖学に驚いた。
セミナー講師などしている自分が
恥ずかしいくらい自分の知識の無さや、
教科書が言おうとしているニュアンスの取違や、
教科書と言えども正確な情報である
とは言えないことに気が付いた。
あっているのだけど正確ではない。
そんな印象だ。
教科書を作っている先生は当然解剖学に
精通していらっしゃるのだろうけど、
景色を完全に言葉にすることはできないし、
味も音色も体験も等身大そのまま
言葉で伝える表現が難しい。
つまり教科書を描いた先生は正確な描写を
心がけてくださっているのだろうけど
3Dの御献体の解剖学実習室の学びは
自信満々だった俺の膝を砕いた。
俺は跪くようにしてホンモノの解剖学を必死で学んだ。
ホルマリン処理されたご献体は
腐敗処理が施されており関節は固まり、
筋肉は白濁化しており、
これはすごいと思っていたのだが、
一回フレッシュ生献体を体験するともう戻れない。
いや、戻りたくなくなる。
フレッシュ生献体は筋肉に赤みがあり
全ての関節は生前同様自由自在に動く。
関節可動域は正常であり手を握ると
生きている人と何も変わらないのが分かる。
つまり肩関節の動き、股関節や膝関節の動きを
解剖しながらチェックすることができるんだ。
また人体が生前そのままの状態で動く
ということはどういうことかというと
筋肉のテンションも生きたままとなっている。
太ももの筋膜をメスで裂いていくと
ハムストリングがディープファシャから
トロンとこぼれ出てきた。
こんなに柔軟性があるのか。
筋膜で覆われている袋を裂いた途端にこぼれ落ちた
ハムストリングをみて俺は感動していた。
生きている筋肉はこんなに柔軟なのか。
カラダの美しさを感じて受講生の先生方は
泣きそうになっている人までいた。
分かるだろうか。
ホルマリン処理されたご献体では感じられない
感動がフレッシュ生献体にはあるんだ。
解剖をしながら俺も感極まる瞬間が何度もあった。
胸腰筋膜の白く丈夫な組織を見て
感動したのを覚えている。
さまざまな方角にテンションがかかっても
いいように繊維が伸びている。
菱形にクロスしあった細かい模様を見て
俺はやはり泣きそうになっていた。
白く丈夫な胸腰筋膜、白い意味は
テンションに負けない組織に変化した
証拠だと聞いてまた感動した。
ここに広背筋や内腹斜筋、
脊柱起立筋や大臀筋が付着している。
あらゆる方向から引かれ
姿勢を維持し腰部を護っている。
なんてすごい仕組みなんだ。
俺は股関節を動かし
体幹をひねり観察してみた。
腰は大きな腰椎の椎体がある為に
ツイストがほぼ出来ない。
腰はひねれないのが正常だ。
その護り役に胸腰筋膜がいる。
動かないはずの腰椎が動きすぎるから
ヘルニアになるのだ。
椎間板は縦のGには強いが捻りに弱い。
その捻れを止めているのが胸腰筋膜であり
様々な方向へ引張ている繊維なのだ。
複雑な症状でも単純にでも繊細にカラダは
負荷に耐えられるように作られていた。
フレッシュ生献体を皆が触れていた。
皆の疑問は筋膜リリースって
無理じゃねーかってことだった。
目の当たりにする表皮、真皮、皮下組織の下に
脂肪組織があり、初めの筋膜があり、
更に筋肉を包んでいる筋膜があり、
そのさらに小さい単位にも
筋膜と呼ばれる組織があって、
まずどれをリリースすることが
筋膜リリースなんだ?って話から始まった。
筋膜リリースを謳っている先生達もいたが、
いったいどの筋膜にアプローチしてるの?
と聞くと誰も答えられなかった。
さらにこの脂肪組織があり最初の筋膜があり、
そのつ次の筋膜のリリースが可能なのか?
皆は誰も答えられなかった。
何を習うのもヨシ。でも全てを
盲信してしまうのはどうかと思う。
俺は筋膜リリースを肯定も否定もしないけど、
受講した皆はどう思ったのかというと
「生献体でカラダを見てちょっと難しい
かもしれないって思いましたよね」
「思っていたのと全然違いました。
この分厚い脂肪組織の奥の奥にある
先の筋膜をリリースできていると思えない」
と言っていた。
受け取り方は自由だ。
前回、仙腸関節は動かないという結果を
見たまま動かなかったという先生もいたし、
それでもナオカツ動くと言い続けた先生もいた。
俺はどっちでもいい。
その先生が目の当たりにした事実を消化して
習ったこと読んだことを盲信しないで考えて
出た答えならどちらでも良いと思ってる。
皮膚組織は脂肪組織を介して筋膜に付いていた。
皮膚をつねりあげると筋膜ごと付いて来る。
つまり新たな筋膜リリースの仕方を考えるなら、
正にこれが一番理に叶っている様に見える。
今日はハワイ大学医学部で開かれている
人体解剖学実習室初日だ。
あと2日、つまり全部で3日ビッチリと
時間があるのもKenYamamoto主催の
解剖学実習室ならではのシステムだ。
今回指導してくださったハワイ大学の教授はいまだに
セミナーに参加し自分を磨いているステキな方だった。
教授が最近出向いたセミナーでは右を向くと
右の僧帽筋と左の肩甲挙筋がメインで
テンションかかると言ったそうで
そのテクニックを見せられた。
教授は俺とメスを持ち頸部を解剖していき
教授が出席したセミナーの内容が正しいのか
どうなのか証明することにした。
ところが驚いたことにフレッシュ生献体の
首の右回旋は左肩甲挙筋にテンションが
少ししか掛からずメインは肩甲挙筋ではなく
菱形筋と板状筋であることが分かった。
しかもうつ伏せ位では肩甲挙筋には
全くテンションがかからなかったのも驚いていた。
教授が出席するほど優秀で有名な講師のセミナーは
一瞬にして価値のないセミナーに成り下がってしまった。
講師の指し示した筋肉は伏臥位では何のテンションもなく、
立位では若干のテンションしかかかっていなかったし
全く別の筋肉がテンションかかっていたからだ。
解剖学の知識があるつもりで、テクニックを
創作したのだろうけど実際にはほとんど効果が
出ないことが分かってしまった。
ホルマリン処理されたご献体はそもそも関節が動かない。
それで試したところでそれは単なる予想に過ぎず
改めてフレッシュ生献体でどう動くのか確認する必要がある。
仙腸関節問題も 流行りの筋膜リリースって
テクニックもいい悪いを言わずに確認する為に
俺の解剖学実習室に参加してみて欲しい。
俺や教授が一緒に解剖して考えてみたい。
俺はテクニックを良いとか悪いとか
言わないタイプだから安心して。
それは自分の迷いが消えるだけでなく、
何より患者さんの為になることは間違いないんだから。
KenYamamoto主催の人体解剖学実習室のみ
許されている『フレッシュ生献体』による
3日間のホンモノの解剖学実習は
今日、まだ始まったばかりだ。

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