動かない関節を動かすというリスク | 世界を股にかける腰痛治療家 Ken Yamamotoのブログ

世界を股にかける腰痛治療家 Ken Yamamotoのブログ

Ken Yamamotoは世界を股にかける腰痛治療家であり腰痛研究家でもあります。
 『世界中から腰痛をなくしたい』
この想いからKen Yamamotoオリジナル治療法『Ken Yamamotoテクニック(KYメソッド)』ひとつをひっさげ、
世界中からのオファーに応える。

バンコックより
矯正は一瞬にして症状や可動域を改善させて
しまう、まるでマジックな様な技術だ。
しかしその裏腹に動かないものを動かす
というリスクを承知でアジャストしているのか?
 
というとそこまで深く考えていないという
整体カイロプラクターが多いのに驚く。
整体やカイロプラクティックを否定している
のではないから注意深く読んで見てほしい。
 
背骨矯正専門を謳っている治療所で
矯正してもらったところ非常に良い
成果を得ることができた。
治療家先生が言うように目はスッキリしたし
顔の血色も良くなった様に見える。
それに首のコリもすっきりなくなった感じがした。
 
しかし翌日寝違えてしまって
全く動かなくなってしまった。
なんて話はよく聞く話だ。
 
どの程度でそのリスクがあるのか考えてみると
僅かな刺激でも起こることがよく分かる。
 
例えば俺なんかは腰痛が好きでよく見ているのだけど、
若い頃矯正を習いボキボキやっていた時代があった。
成果が出やすいし患者さんも矯正音を聞くと
これは効いタァとか言って納得してくれていたりした。
 
しかし何回かに一度は翌日寝違えたなんて
連絡をよこす患者さんもいたりして
昨日施術の後あんなに首がもげるほど
「あれぇ〜痛くないよ」
とグルングルン回してチェックして帰って行った
のに翌日痛いって連絡が来ることがあった。
 
矯正が上手くいってても、患者さん側が
もともと動かなかったのにグルングルン
回せばそりゃ筋肉も収縮していたものが
急激なストレッチを受け、そして翌日は
さらに収縮し寝違えになるなんてパターンも
少なからずあるに違いない。
 
矯正後は静かに動かして欲しいもんだけど
「グルングルンしちゃダメだよ」
と言われると動かしたくなっちゃう子供の様な人もいる。
 
ドクター・オブ・カイロプラクティックの盟友
Dr.ウエムラとカイロプラクティックについて
語り合ったことがあった。
 
俺の習ったインチキ整体学校と違って
アメリカの名門パーマー大学卒業の
ドクターウエムラは頚椎の矯正について以下の様に語った。
 
「頚椎の矯正はどこがメジャーなのか見極めることが大事です。
そのメジャーを一箇所矯正すれば後は触りません」
 
「一箇所なんですか?」
 
「そう、一箇所しか矯正しません。
メジャーを探し出しそこを整えるだけです」
 
これがホンモノなのかと感嘆したことがあった。
俺が習ったインチキ整体学校では頚椎が
すべて整列する様に矯正しましょう。
って感じだったから、
その場で全てを揃えるまで矯正し続ける。
しかしモノホンのカイロはそうじゃなく
メジャーの部位を一箇所矯正して、
後は良くなるのを待つ。これだ。
 
鍼灸の名家が言っていた。
「治療所で成果を出したり治そうなんて考えていない。
家に帰る頃に効き出し、翌日スッキリ目が醒めるのが良い治療だ」
と言った。
 
「なんだこりゃ全然聞かねーじゃねーか」
という患者さん側の反応の段階で
帰すこともしばしば。と言っていた。
 
ホンモノは深いねぇ。
でもそれは経験から分かっていることだし
治せないと言うわけではない。
100%助けないでその人が
回復し始めるポイントまで持っていき、
後は自分で治っていけって。
そんな感じだ。
 
動かないで過ごしていた関節を動かすと
驚く様な成果が出るんだけど
その逆に動いたから痛めると言うことだってある。
 
多くの場合は筋肉の収縮ってところだろうけど、
動かないから動かして骨折なんてことだってあり得る。
 
何度も検査すると言うのだって
動かしすぎになることになり得る。
 
ツイストできない人がツイストできる様になり
グルリンてベッドから落ちそうになったり
するくらい可動域が上がったら、
「こんなに良くなって良かったですね!」
 
の後に必ず付け加えなければいけないのは
「動かなかった関節をここまで動く様にしたので
明日はきっと筋肉的な痛みが出る可能性がありますからね」
って言葉だ。
 
どんなに柔らかい施術を心掛けていても、
翌日の痛みに驚き効果が出ているのに
クレームなんてことだってある。
 
「背中掻いてくれ」
と言われ言われるままに掻いてたとして
もっと強く搔けと言われたから
一生懸命力入れて掻いたら血が出て
クレームみたいなことは実際に起きるんだな。
 
ところで
俺は矯正を一切辞めてしまった。
あれは20年ほど前だった。
 
矯正しないで効かせる方法を模索したんだ。
今ではKYTの手技が39か国の
治療家が使ってくれているけどね、
作るのは苦労したよ。ホント。
成果が出るからこそ39か国まで来たものの
痛みがなくなったからと
モゲるほど首を回してくれた次の日は、
やはり寝違えの様な痛みが起こっても不思議ではない。
 
それは施術の成果ではなく、
普段動かさなかった部位を
動かしすぎた筋肉痛の様なものだ。
それを伝えたら問題ないけど
伝えないが為に患者さんが怒り出した場合、
正しいことをしてたのだけど患者さんを
不安にしてしまったという結果からは、
やはり伝えなかった治療師側のミスと
受け取るべきかもしれない。
そうは思わないか?
 
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