ボランティアセミナー

バンコク病院の理学療法士のキャプテンから連絡が来た。
「Kenさんリキさんのセミナー収益をタイの北の
山奥にある貧困層の子供達に届けて来ました」
　
俺と原口准教授は今年の3月バンコックに滞在していた。
3日間に及ぶバンコク病院でのセミナーは
らにディープインパクトを与えた。
参加した理学療法士に看護師、
医師までもが俺たちの講演に熱くなった。
というか熱くさせた。
　
セミナーの始めに
「俺は君らに好かれようと思ってない。むしろ嫌われに来た」
と言ったことを覚えている。
　
「痛い場所しか診ない治療はもう古い。日本ではほとんど
絶滅した。でもあなた達はまだそれをしているだろ？」
　
セミナー中に質問時間があり、実際に今病院で
担当している治らない患者さんの質問があった。
　
「だからあんた達は治せねーんだよ！局所だけ見るなと言ったろ」
とゲキを飛ばしたこともあった。
ゲキを飛ばすだけでなくなぜならばが付いてくる。
質問した理学療法士も他の受講された理学療法士達も納得してくれた。
　
ストロングスタイルのセミナーとなったのだが、
彼らは1人も脱落することはなかった。
　
タイの各地から集まった理学療法士達は
触れないで症状を無くしてみようとか、
首が痛いのに足首を調整して治してみせたりした。
理学療法士達はKYTに熱狂してくれた。
　
翌日は原口准教授が担当した。
歩行など得意な理学療法士だけど原口准教授の
切り口は知っているそれとは違っていた様子で
受講生達は前のめりで原口准教授の講演を聞いていた。
　
原口准教授の東京セミナーに出た先生は
知ってると思うけど言った言葉の通り
モデルさんが良くなって行くから説得力がある。
教え方だって毎日大学や専門学校で
教えて来た准教授なんだからもちろん一流だ。
　
タイ人理学療法士達はすっかり掌にのってしまっていた。
あれはもうすでに懐かしいがまだ今年の3月の出来事だった。
　
俺は原口に断らずセミナー費用の全ては
タイの山岳地帯の困ってる子供達のために
ノートと鉛筆と必要なものに当ててください。
と言っておいた。
　
原口准教授は事後報告となったのだが、
どう思ったか分からないけど了承してくれた。
　
とにかく俺達は一銭も貰わずタイのため
だけにセミナーを開いて来た。何の為か？
俺は原口准教授を世界に連れ出す目的があった。
日本のみならず世界で活躍してほしいと願ってるからね。
それは結果タイの医療に役立った。
　
つまりそれはタイの医療技術を押し上げることに
なり腰痛や膝痛で悩む多くのヒトの為になった。
バンコク病院の様な東南アジア最大規模の
病院で使われ始めると末端へ行くのは早い。
更に念願だったタイの貧困地帯への貢献にもなった。
俺は元々タイの山岳地帯の貧困を知っていたんだ。
　
バンコク病院の理学療法士キャプテンからの
知らせは俺の心を満たしてくれた。
そう言えば原口准教授とはその後の
シドニーセミナー以来会ってない。
アメリカセミナーが終わったら
一杯やりに誘ってみようと思ってる。