Los Angelesでの出来事。。 | 世界を股にかける腰痛治療家 Ken Yamamotoのブログ

世界を股にかける腰痛治療家 Ken Yamamotoのブログ

Ken Yamamotoは世界を股にかける腰痛治療家であり腰痛研究家でもあります。
 『世界中から腰痛をなくしたい』
この想いからKen Yamamotoオリジナル治療法『Ken Yamamotoテクニック(KYメソッド)』ひとつをひっさげ、
世界中からのオファーに応える。

「い、痛い!」

部屋にいた家族や友人たちが驚いた。
俺も驚いた。
あ、痛くしちゃった?ゴメン(>_<)

そうでは無かったんだ。
家族は痛いと言った息子に驚きの顔をしたんだ。

「あなた何したの?」
あれ?怒られていない。

「な、な、なに?なんなの?」
俺は何がなんだか分からなくなっていたW(`0`)W

「彼は何をしても感覚が無かったんだよ。
今彼は痛いと言ったよね!あなた何したの?」

「いやただ膝の裏のコリをグリンとしたんだ」

しばらく言っている意味が分からなかった。
痛がらせといてでも怒っていない様子(>_<)
時間が経つにつれて分かってきた。
痛覚が戻ったと家族が言ったのだ。

ロサンゼルスは珍しく雨が降っていた。
珍しいこと繋がりで何か珍しいコトを起こせないかな、
そんな気持ちで彼の自宅に向かったんだ。

彼の自宅に連れてこられたのは午後3時を回っていた。
理学療法士さんがリハビリを始める時間だった。

肺ガンから脊髄に転移した為に
脚が動かなくなってしまったらしい。
手術でギリギリの所まで
脊髄に近い腫瘍を取ったらしい。
完全には取りきれなかったそうだ。

39歳という若さで余命はあと1年と宣告済み。
そして、理学療法士さんの介入によって
どうにか介助すればベッドに座れるし、
歩行器にもたれかかるようにして
腕の力でプルプルしながら立つのが
やっとのところまで来たと家のヒトが言った。

ここまで来るのにドンだけの御苦労があったろうか。
座位から肘立て位になり仰向けに寝るリハビリや
車いすから立ち上がる練習を行っていた。
9割介助だ。足を挙げる訓練もほぼほぼあがらない。
微かに動くのを9割かそれ以上補助して膝を前に出させる。
「昨日より脚が上がらないな」
と本人。

そうか、
昨日はもう少し上がったのに今日は上がらない。
と言うことは本来は今日より上がるんだ。
コレは多分寝過ぎの時間が多くて
背筋がうまく働かなくなっているからかな?
とか考えていた。

脚をあげるとき大腿四頭筋や腸腰筋は
もちろん使うけど、その準備というか対側の
支え脚を緊張させないといけないよね。

そしてそのスイッチは神経だから大腿神経や
坐骨神経さらには閉鎖神経と関係している。

心で呟いて俺ならこういう動きの練習をさせる前に
こうしたいなとか、この動きは無理そうだ
何故ならば対側の支え脚の方を補助して
安定させてないから挙げる出力に
集中できないのではないかな?とか思っていた。

勿論暗黙のルールで施術中は口出しなんかしない。
それにしても理学療法士さんのリハビリはホントに大変だ。
そしてほぼ麻痺状態からここまで回復させるなんてホントに凄いや!

日常の基本動作を繰り返させる。
寝返りをうたせる。
ベッドから起きて座る。
ベッドの柵を持ちながら車椅子に移動する。
車椅子から立ち上がる。

ほぼ9割かそれ以上の介助をしながら
リハビリをすすめていた。
1時間でリハビリは終わった。
そして理学療法士さんは帰っていった。
彼は疲れきっていたけど変わった形の
筒を出すと何かを吸い出した。

あれ?なにかアムステルダムで
嗅いだことがある匂いだな。
マ、マ、マリファナ(>_<)

てことはカリフォルニアでは
認められている医療マリファナか
いきなりマリファナを吸い始めたよこのヒト。

あーー、えーーっと
この後俺が彼になんかするんじゃ無かったっけ?
マリファナ吸ってしまって平気なのかな(´・_・`)

その頃土曜日ということもあり、
友達が続々と彼の家に集まって来ていた。
昨日の社長の1人もいた。

「Ken、なんか出来ることありそうかな?トライしてくれないか?」
社長が耳元で囁く。

マリファナを吸う筒を置かせて先ず
手術した位置を見せてもらった。
腰椎ではなく胸椎の9~11番を開いて手術したそうだ。

余命はあと1年と言われているけど
この背中とお腹の浮腫は腹水でない事を祈りたいな。
彼の友達の1人が聴いた。Kenはどんな事やるヒトなの?

社長が言ったのは彼はカラダを触って痛みを取るとか
揉んだりしながら多分やるんだろうな。マッサージとかかも。

そして、その友達が言ったんだ。
「彼は全身腫瘍が転移しているのだけど、
揉んだりマッサージしてもいいのかい?」

確かにそれを言われると訴訟国家アメリカで怖いね。
社長が反論するも誰も判断できなくなってしまい
何もしないまま時間が流れた。

彼が言ったんだ。
「Ken、お願いできるかい?」

俺は家族や友達に確認をとり施術をはじめてみたんだ。
そして施術をはじめて少しして

「い、痛い!」
と彼が言った。コレに家族や恋人が反応した。

「なに?あなたなにしたの?」
訴訟国家アメリカ怖いから。。。
あれ?怒ってないな

そして今まで殆ど知覚が無かったのに
痛いと言った彼に驚いたのだと知った。
腰を少し調整したからっていきなり知覚が戻るわけはない。
もう既に感覚知覚が戻っていたのだろう。

そんなの分かっているけど家族や友達たちは
期待の目を向けているのがわかった。

マリファナ吸ってても痛いものは痛いんだね。
腰の痛いという動きはほぼ取れた。
すると足首の背屈と底屈がスムーズに少し動き出した。
それは彼の友達が観ても明らかだと言った。

座位から膝を伸ばす動きは
理学療法士さんのリハビリで
少し出来るようになっていたけど
座位で膝を挙げる股関節屈曲、
つまり腸腰筋の動きはした事が無かった
というので試しに浮かせてもらった。

僅かに動く。
右足は浮く。腸腰筋は股関節90度以上の屈曲で
メイン筋として使われるわけだから動くという事は
練習すればもっと動き出すかもしれない。

様々な工夫を入れて大分浮くようになったし、
浮かせたままキープも7秒できた。
左は指一本の厚み程度一瞬しか浮かなかったが
浮くという事は練習すればどうかなと思い
最終的に3秒は指一本を浮かせ続けられるようになった。

すると足首は更にスムーズに動き出した。
家族や友達はじて恋人はとても喜んでくれた。
そして本気かジョークか俺に帰国を遅らせるように頼んだ。

あーーそれはちょっと、、、
驚いたことに彼は少し元気を取り戻しお礼に
一緒に外食したいと言い出したんだ。
そして彼が選んだのは更に驚いた。
彼が選んだのはステーキ屋だったんだ。

俺に気を使ったなと思ったんだけど
彼はステーキ一人前を少し恋人に
手伝ってもらいながら食べてしまった。
マジそれ?ヽ(´o`;そんなのアリなの?

恋人によると食欲なんか殆ど無かったらしいのに
今日はよく食べるわ。と言っていた。

こ、これもマリファナ効果か?(^^;;
とにかく彼はみんなを驚かせた。

勿論こういったターミナル(終末期)の方々の体調は
調子良かったり悪かったりを繰り返すから
たまたまいい日に巡り会えたのかもしれないけど
それでも皆喜んだし俺も嬉しかった。

そして彼は俺にロサンゼルス滞在中に、
もう一度は必ず来て欲しいと言った。
様々な関係から俺も毎日は来れないけど
あと一回必ず来るよと約束したんだ。

呼んでくれたヒトも満足してくれたし
何よりも俺がとても温かい気持ちになれたよ。
集まった友達たちは高校生のときの同級生だった。
彼のために沢山の友達が集まってくるところを
見ると彼はきっといいヒトなんだろうね。

クルマで送られながら何度もお礼を
言われてなんだか照れくさかった。
帰り道もロサンゼルスでは珍しく雨が降っていた。