東京駅発のぞみ21号博多行きは
定刻通り品川駅を発車した。
僕は今大阪に向かっているんだ。
大事な友人であり弟子でもある長谷川が
今日デイサービスをオープンさせるんだ。
そのお祝いに向かっているんだ。
彼女との出会いは4年前バリ島で出会った。
大富豪の兄貴の自宅で。
彼女はまだアロマリンパセラピー
を行うセラピストだったんだ。
帰国後間もなくして相談に来た。
「私は今後どうしたらいいのでしょうか」
順調そうに見える彼女の人生も本人曰くブレブレで
自分の人生は今後どこへ向かっていくのでしょうか。
と誰でも思い揺れる悩みを俺に打ち明けた。
治療家でいくのか
リラクゼーション家でいくのか
またはその別の何かなのか。
世の中そんなヒトで溢れている。
手を差し伸べるにも何も指針が
決まらなければ薦めようがない。
行く宛が無い船が太平洋で
ぽっかり浮いているようなものだ。
向かう港を決めないとただただ不安な
もので正にそんな感じだったんだ。
~自分は何者で何をしたいヒトなんだろうか?~
誰でも感じたことがある悩みに違いない。
「東京へ行って先生の技術を学びたいです」
彼女はすぐに東京へやってきた。
旦那を大阪において単身赴任だ。
そして朝10時から夜の23時まで
僕のオフィスで研修が始まった。
しかも無給で。たいてい根を上げるもんだ。
1ヶ月間毎日毎日1時間前に出勤して
掃除をして受付で立ち続け僕のスタッフの
働いているところを見続けているだ。
僕はその間も格闘技の選手の
ケアでアメリカ人やフランス人、
カメルーン人のファイターに
呼ばれ渡米を繰り返していた。
スタッフから聞こえてくる長谷川の
取り組み方は真剣で1ヶ月が過ぎた。
誰からも愛される働きをしている。
僕は彼女の口からでる言葉と行動が一致
していることを確認して徐々に指導に入った。
真剣に学んだ長谷川は大阪に帰り
治療院を心斎橋にオープンさせたんだ。
もちろん彼女の治療院は大変に繁盛した。
まもなくして俺は念願だった
老人介護施設のデイサービスをオープンした。
「今までの日本を作り上げてきて
くれたお年寄りへの恩返しの為に」
俺は久しぶりに作る新しい業種へ情熱的に取り組み、
それはあっという間にケアマネさんの間で広まり
立ち上げから2ヶ月半で100%の定員を埋めてしまった。
ケアマネさんにうちの利用者様を
お宅に託したいと言っていただき、
2店舗目を立ち上げた。
この頃俺は国内外で非常に多忙な生活になり
殆ど介護施設に顔を出せなくなってしまっていた。
しかし一旦勢いよく回りだした僕の組織は
止まること無く高回転のまま3軒目がすぐにオープン。
その頃、現マネージャーの藤田が
デイサービスを学ばせてください。
無給で構いません。
と情熱的にやってきて助けてくれた。
4店舗目が出来た頃、長谷川に再会した。
以前輝いていた彼女は少し疲れているように見えた。
いわば治療院とは毎日毎日
沢山の患者様と対峙しなくてはならなくて
彼女はその緊張感に少し疲れていたに違いない。
一生この緊張感に包まれた生活になるのだろうか?
と思ったのかもしれない。
デイサービスの素晴らしさを彼女に伝えると
目を輝かせ私のホントにやりたいことは
それかもしれないと言った。
今の技術を使いながらもお年寄りの
精神的なケアもしなければならない。
非常に簡単ではない業種だが俺には分かっていた。
長谷川は絶対に向いていると。
ただ、
ただ、彼女が立ち上げた治療院。
そしてその患者様たちを置いて
次の港を目指すことは彼女は簡単ではなかった。
勿論だ。勿論彼女の性格からして、
そしてヒトとして知り合ったヒトと
別れなければならないコトは辛すぎる。
俺は長谷川に言った。
「何かに挑戦するときは全力で
行わなければ叶わないよ。
その何かを獲たいなら何かを
捨てなければならないこともある。」
彼女はスタッフに総てを
任せて東京へ再びやってきた。
デイサービスを学ぶ為にしかもまた無給で。
彼女は旦那さんも連れてきた。
全力で獲る為に旦那さんも
介護を学ばせることになったのだ。
俺は相当の責任を感じていた。
他人を巻き込むこと。
他人の人生を巻き込んだこと。
長谷川はもはや他人でなく家族だと思っているけど
旦那さんの仕事も辞めさせ
彼女はデイサービスを学んだ。
1年間。
彼女が僕の組織に2回目の研修が始まった頃、
4号店もすぐに100%埋まり
5号店を出すことになった。
店長と長谷川は協力し合い、間もなく
5号店もすぐに100%埋まってしまった。
あり得ないスピードで
どんどん増殖する僕のデイサービス。
利益追求ではなく、
多くの利用者様に支持していただき
ケアマネさんが次の店舗を
出すことを希望してくれる。
だから出店する。そして間もなく埋まる。
今となっては僕の意思とは関係なく
デイサービスが増えていってしまうんだ。
大事なの
「情熱」
情熱的なケア
情熱的なコミュニケーション
情熱的な機能訓練
6号店を長谷川の旦那さんに店長を経験させ
十分成果を体験させ、そして約束の1年が過ぎた。
4月に長谷川夫妻は関西に帰り
そして8月1日つまり今日長谷川夫妻は
兵庫県にKYTを使ったデイサービスをオープンさせた。
様々な思いを胸に俺に飛び込んできた長谷川。
何度も何度も枕を濡らす夜が
あったことを俺は知っている。
悩んで悩んで人生どうなってしまうん
だろうかと思った気持ちも知っている。
それは俺が既に通ってきた道だからだ。
だから、俺は開店祝いに今大阪に向かっている。
ココロから『おめでとう』と直接逢って言いたいから。
「ホントにホントにおめでとう長谷川。
でも今日からが本番スタート。
情熱的に兵庫のお年寄りの笑顔を守ってね!」
情熱さえあれば彼女は必ず上手く行く。
僕のデイサービスはというと長谷川の所と同じく
今日8軒目が川崎にオープンした。
デイサービスはホントにすばらしい業種だよ。
今までの日本を作り上げてくれた
お年寄りに感謝を表せる。
お年寄りが喜んでくれる仕事ができる。
こんなにいい仕事はないな。
デイサービスを学びたくなったヒトがいたら
ジャーマネ藤田まで連絡してみてね。
きっと人生変わることは僕が保証するから。
間もなく新大阪。
長谷川夫妻に逢うのが楽しみで仕方がないや。
■Ken Yamamotoテクニック NEW DVD Level3
⇒ http://ken-yamamoto.com/level3/
■Ken YamamotoテクニックDVD Level1・2
⇒http://www.ken-yamamoto.com/level1-2/index.html