チューリヒを飛びたった。
飛行機のなかで僕は今回の世界治療セミナー
ツアーのコトを思い返していたんだ。
ビールを呑みながら写真を眺め、
そしてマドリードセミナーの
原稿をチェックしていた。
まもなく着陸体制に入り
飛行機は徐々に下降していった。
空港が見え滑走路にタッチダウン。
するはずだった。
もうタイヤが地面に着くか
着かないかの瞬間だった。
スイス航空2032便はナゼか
力強く機体を上昇し始めたんだ。
何があったんだ？
機内はざわつき出した。
おそらくあと数十センチで
タッチダウンするはずだったのに、
なぜか急上昇。
タイヤが出なかったのか？
タイヤが出なくなった
というのは以前にも経験した。
凄く恐怖が機内を襲う。
タイヤが出ない＝着陸出来ない。
不時着＝大事故なのだ。
そもそも整備など出来ないのが
タイヤが正常に作動するかどうかだ。
タイヤが出ているままで整備するからだ。

急上昇したスイス航空2032便は
しばらく空港の周りを旋回して
再び空港へ着陸をトライするコトになったんだ。
僕は腹を決める時かも知れないと悟った。
会社は中野にやることになってる。
クエストと言う会社はジャーマネ藤田がやれば良い。
あと思うコトは両親より先に逝くことと
大阪の信用金庫のオンナのコトも少しの時間考えた。
世界の腰痛を治すという夢は叶わなかったか。
それにしても良い人生だった。
ホントにそこまで想ったんだ。
人生の終わりは突然にやってくるもの。
それでも、こうして僕は人生を振り返る時間が
持てたコトをホントにありがたく想ったよ。
機内はざわついていたけど、
僕はココで死んでも何の後悔も無かった。
人生やり切ったと思えたから。
スイス航空2032便は再び滑走路に着陸をトライした。
飛行機のタイヤが地面にタッチした瞬間
機内は安堵に包まれ、次の瞬間大歓声と拍手で
機内アナウンスが聞こえないほどだったんだ。
僕はココで死んだかも知れない。
よくよく外の風景を観ると
マドリードの空港は第4ターミナルまであり、
それぞれのターミナルは離れた場所に在るんだけど
どうも最初に降り立ちそうになった滑走路は
本来降りるべき空港じゃ無かったという
パイロットの単なる凡ミスに過ぎなかった
ことがわかり笑い話になった
とにかく、一度このマドリードで
死んだかも知れない僕は
明日のマドリードセミナーを
全力で頑張れると思えた。
空港を出るとマドリードの治療学校の
小野田校長が迎えにきて下さっていた。
小野田先生のクルマにのさせていただき
明日のマドリードセミナーで
イタリアの治療家学校の校長2人と
ブエノスアイレスの治療家の校長が
セミナーに参加するコトになった話を聴かされたんだ。
そしてそのままお食事会に連れていかれた。
僕はこのイタリアの校長先生と今年の二月に逢って居た。
でKenYamamotoテクニックをイタリアでも
セミナーして下さいと言われたんだ。
でも、彼は俺のテクニックを知らない
のにセミナーをオーダーしてくれた。
これはスペインの小野田先生がイイと言うものは
無条件でイイと判断してくださるからだ。
それにしてもイタリアセミナーを
開くコトになったものの、
当の校長本人がKYTを全く知らないのでは
話になるはずもなく、どうしたらKYTを知り
イタリアの治療家に持っていくかを
考えてくださっていたんだ。
そんな折にマドリードセミナーの話を聴き、
1泊2日でローマからワザワザ
別の学校の校長を誘ってきてくれたらしい。
つまり、明日のマドリードセミナーは試験だ。
イタリア始めヨーロッパで拡がるのかどうなのかの。
またオランダセミナーに溢れてしまった日本人も
千葉県から駆けつけてセミナーに参加される。
僕は一度飛行機事故で死んだ気になっていたから
この緊張感も乗り越えるコトができるに違いない。

大御所ばかりのマドリードセミナーだが
完全にやり切りKYTを世界に広げてこようと想っている。 このマドリードセミナーが
ヨーロッパで拡がる鍵になっているな。
お食事会をしながらそんなことを考えていたんだ。
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