いしいしんじ 著
最初読んでてだんだん読みたくなくなってしまった
だって暗いんだもん。
主人公一家が街で浮いててさ。
後半主人公のねこが育った町を出てからはすごく泣けた。
特に生まれた町へ住むようになってから。
「へんてこさに誇りをもてる唯一の方法」という章がすごく心に残った。
ここの章に辿り着くために前半のくらーい部分を我慢したっていうか、
前半よんだからこそここの章が染みるというか。
人と違うってのはさ、目立つんだよね、だから目立たないためにへんてこは集まるんだよね。
人と違う生き方をするのはその分辛いぞって耳をすませばのお父さんも言ってたし。
人と違うっていわれるのはさ、辛いことなんだよね。疎外感ていうか。
でもそういわれちゃうのは事実だから、仕方のないことであって、
ひとに誇れるわざを身につけるしかないんだよね。
そればかりは他人に頼れなくって自分で努力するしかなくって。
っていう感じ。
あとがきも良かった。「すべての話のつづきとして」という章。栗田有起さんっていう作家さんだそうな。
私のしってるあとがきっていうのは著者への賛辞や個人的な手紙やそういった類のものが多くて、あんまり読む気がしなかったけれど、
私がいしいしんじっていう作家さんのこれこれこういうところが好きだっていいたいけどうまくいえないところを上手に文字にしてあって、さすが作家さんだなって思った。