13:00頃、分娩台に上がる。
オットが淡い緑色の服を着て、わたしの横に立つ。
いよいよはじまる。

この頃、わたしは少し疲れてしまっていた。
あとで思えば、これが高齢出産なんだなというか、体力不足なんだなと思ったりする。
陣痛室でも最後の方は大声を出すこと自体に疲れてしまって、声を出すのはやめようと思うほどだった。


あとすこしであかちゃんに会えるという喜びと、もうすぐこの痛みから解放されるという喜び、排便したくて気持ち悪い感じから解放されるという喜びで、意気揚々と分娩台に上がる。

分娩室には助産師さんが2人とオットがいてくれる。
さあ、いきんで良いですよというとき、陣痛が遠のくのを感じた。
いきみたいほどじゃない。
でも、痛みはあるからとりあえずいきんでみる。 
全く手応えがない。

友達は3回いきんだら出てきたって言ってた。
そんなに少ない回数で良いなら、わたしもあと数回で終わる。
いまはダメだったけど、あと少しで終わるのは間違いない。はじまったら終わるんだ。
分娩室に入ったら、大体どれぐらいで産むものなのか、助産師さんに聞いてみたら、多くは1時間ぐらいだという。

表現がとことん悪いけど、排便したいと思ったらいきむことにしてみた。
でも、うまくいかない。


ダメだ、あかちゃんが出てこないと泣きそうになりながら、いきむ。
何度トライしたか分からない。
助産師さんは「ダメじゃないよ。あかちゃんの髪の毛が触れるようになってるよ」と言う。

このあたりから記憶が曖昧になってくるけど「もう少しやってみてダメだったら吸引分娩や帝王切開の可能性も出てくる」と言われたことは覚えている。

オットに何度も「帝王切開じゃなくて自然分娩で産みたい」と訴えた。



分娩台に院長先生の顔が見える。