男は手際よく、ひとりづつ、

まるでソコにいなかったように

消していく。



否。


決して死体が消えるわけではない。


男が通り過ぎた場所に残るのは

ただの肉の塊である。


一見しただけで、人かどうかを

判別することは無理だろう。



隣に置いてある衣服が、

お供え物のように添えられる。


スーツを着た人間を潰す。

その行為を見ていた者も潰す。



…………



…………



そうして人が減り続けていく街。




音もなく、叫び声すら上げず、

肉塊になり果てていく人々。




約半日足らずで、


人口の半分が肉塊に変わる。




男は、ただひたすら潰し続け、



しかし、気づいていない。


変わりゆく違和感に。




男の後ろ、

すぐそこまで迫る魔手にさえも