暗く狭い路地裏…。
シトシトと降る雨の中、フードを目深に被り走り抜ける、彼。


誰かに追われてるでもなく、何かを追っているようでもない。



だが、彼の息は荒い…。
時折、後ろを振り返ってはまた走り出す。



そうして走りつづけて、路地を抜けた彼。

人通りのない真夜中の大通り。


壁にもたれ掛かり息を整えている、彼。




「……ナンデニゲンノ?」






不意に頭によぎったコトバ……。



俯いていた顔を、今さっき出て来た路地に出す。






誰もイナイ路地裏………。







「……ナンデニゲンノ?」






路地裏を見ていた彼は、辺りを見回す。




しかし、ソコには彼以外には誰もいない。




「……気のせい」



そう呟く彼は、正面のショーウィンドウに目をやる。



フードを被る彼、しかしそこには映るはずのないモノが………。