詩を読んでみたよ♫八木重吉 | ヒーラーひふみの徒然なるままに♫

ヒーラーひふみの徒然なるままに♫

歌うこと、絵本の読み聞かせ、詩の朗読が大好き❤
結婚前は助産師♪
介護と育児を並行すること11年。ブランク後は介護系ナース♪
子ども達の不登校・起立性調節障害とも向き合ってきた日々♪
この経験が、誰かのお役に立てるのなら…活かしていきたいものです♪



八木重吉


くものある日
くもは かなしい


くもの ない日
そらは さびしい




八木重吉

つまらないから
あかるい陽のなかにたってなみだを
ながしていた


金魚
八木重吉


桃子は
金魚のことを
「ちん とん」という
ほんものの金魚より
もっと金魚らしくいう


赤ん坊が わらふ
八木重吉


赤んぼが わらふ
あかんぼが わらふ
わたしだって わらふ
あかんぼが わらふ




八木重吉


この 豚だって
かあいいよ
こんな 春だもの
いいけしきをすって
むちゅうで あるいてきたんだもの





素朴な琴
八木重吉


この明るさのなかへ
ひとつの素朴な琴をおけば
秋の美しさに耐えかね
琴はしずかに鳴りいだすだろう


果物
八木重吉


秋になると
果物はなにもかも忘れてしまって
うっとりと実ってゆくらしい