ゴールドコーストの長い夏も終わり、朝晩冷え込む秋になりました。
日本では紅葉や落ち葉で実感する秋も、こちらでは味気なく。
オールシーズンTシャツ短パンビーサンの人もいるし、私もまだまだ半袖ですし。

先週から始まった、ゴールドコーストフィルムフェスティバル。
映画祭があること自体、びっくりですが、映画三昧の良い口実なので、
早速行って来ました。

ウィークデイはよほどでないと行けないので、週末メインですが、
主人と一緒に3本ほど候補を選び、うち2本を観て来ました。
一本目は、フランス系カナダ人監督のXavier Dolanが撮った、「Mommy」。
二本目は、アメリカで、Victor Levinという監督の「5 to 7」。

「Mommy」は最近の中では一番のヒットでした。
観る前から、登場人物も少ないし、テーマがADHDや問題行動を持った息子と母親という重いものなだけに、監督の思いやそういった病気への理解認識が表現にかなり影響してくると思っていました。
ところがそれを裏切るほどの細かい感情表現や、「美しいもの」への独特な視点に、感動しまくり。当然ベテラン監督だろうと思いながら観ていたところ、彼が若干25歳ですでに5本もの劇場公開作品を撮っていると知って、びっくり。
音楽の使い方もいいし、今後要チェックの人です。
監督のバイオを調べてみると、親が俳優・歌手だったことで、
自分も10代の頃から映画に出ていたり、映像の世界に接する機会が多かったとのこと。
しかも処女作は17歳にして脚本を書き20歳で撮った、自分と母親をテーマにした作品。
ゲイであること、母親との関係などごくプライベートをも公表するなど、
なるほど生まれながらの作家なのね、と共感してしまいました。
日本の橋口亮輔や河瀬直美もそうだけど、
生まれながらにして作家として、表現者として表現し続けていかなければ生きて行けない人たちが映像の世界には存在していて、
彼らが新しい作品を撮り上げるたびに私は、
「元気でやってくれている」などと思ってしまうのです。
Xavierも間違いなくその一人でしょう。

二本目の「5 to 7」は、文句なく☆一つの残念な映画でした。
もちろん好きな方もいると思うのですが、
設定がおかしすぎるし、現実感がないし、主人公たちに愛情の交流が全く見えない、
なんか自分が下手なドキュメンタリーを作ってしまった感覚と同じでした。
例えば、大学出たての作家志望の青年が、
そうそう大金持ちで美人のフランス人女性と夫公認で不倫なんてあり得ないし、
簡単に受賞作家にもなれない。
この映画はそんな設定なのでした。
わざわざ時間を工面して平日の夜に行ったので、残念さが増してしまいましたが、
映画を観るとはこういうことだとも思うので仕方ないです。
それにしても、2本ともアートセンターの一番広い劇場で観たのですが、
観客は30~50人前後。
採算はともかく、ここに住んでいる人たちは一体何をしているの?
というのが正直な疑問。
東京では当たり前にやっている映画が、ゴールドコーストでは全然観れないのは仕方ないとしても(田舎に住んでいるのだから...)結構がんばって作品選んでいるのは分かるので、私としては応援したい気持ちなのです。
主人いわく英語圏の人は字幕付きの映画を観るのが苦痛で嫌だという人が多いので、
ハリウッドなどの分かりやすい映画が喜ばれるとのこと。
私は苦痛でも(そんな風には思ったこと一度もないですが)外国作品や、
自分の知らない世界を体験できる映画の方を選びますが。
その点、日本人は日本映画以外は字幕っていうのが当たり前なので、(もちろんテレビでは吹き替えだけど)割と障害なく観ている気がするのです。

三本目は、インド映画で「The Cow's Egg」という作品。
スラムで育つ兄弟の話です。
今週末に行くので今からとても楽しみです!